点滅希

 
 「アナログ・サイネージ」  
    

 デジタル・サイネージがブームだ。
30年近く前のSF映画「ブレードランナー」の未来都市ではビルの壁面に巨大なテレビがついていて不細工な芸者ガールの不気味な笑い顔を映し出していた。それが今では珍しくもない光景になってしまった。大きなものから間近に見る小さなものまで街中に溢れている。いやな世の中になったものだ。
 テレビなんぞは家で観ればいい。煩い時はスイッチを切ればいい。出かけた先々で見たくもない映像や喧しい説明をされたら邪魔でたまらん。
 しかも最近では人の顔を認識して、こちらを禿げオヤジだと嗅ぎ取ると「貴方様にピッタリの育毛剤です。」などと売り込んでくる仕掛けができてきた。全くけしからん。
 育毛剤ならとっくに知っておる。こっちは今映っていた若い娘のミニスカートが観たいのに。
 だいたい、どれも同じで四角い画面だ、あんな味気ないものがあるか。そこいくと、昔の看板はよかった。みんな形が違っていたし、変らないからこそ覚えるし、目印になる。それこそ街の顔になっていた。あの地球儀の下で待ち合わせ、なんて風情があった。
 アナログ・サイネージ万歳。

(頑)

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