点滅希

 
 「サクラチル」  
    

 入試の結果を電報で伝えるのに、合格はサクラサク、不合格はサクラチル、昔懐かしい文面である。
 電話が普及するまでは、電報が最も速い情報伝達手段だった。相手先地の電報局へモールス信号で電文が送られた。トンツートンツーという信号を聞きとり、カタカナで手書きした電報を配達する。昔の映画などで見る「電報です!電報です!」と扉をドンドンと叩くやつだ。一文字単位で費用がかかるので、要件を簡潔に伝える工夫を凝らす。その代表例がサクラサク…だろう。季節感もあり見事な表現だと思う。
 しかし今では電話もメールも普及した。電報など用無しか?いやいや、今はインターネットで電報を打つ時代なのだ。(打つ…こんなところにモールス・キーを手で打つ痕跡が残っていた。)一刻を争うメッセージという使命は失われた。しかし、冠婚葬祭などで綺麗な台紙やドラえもんのぬいぐるみがメッセージへの付加価値、目的になったわけだ。
 使命を終えたようでありながら、どっこい生き長らえるものがある。我が生業も、たとえ人の目に古臭く映ろうと、今は気付かぬ何かが潜んでいるに違いない。このまま散らせてなるものか。

(頑)

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