特別寄稿

 ネオンの光に魅せられて 
ネオンアーチスト 安彦哲男

 

 ネオンの光に魅せられて、30余年経ちました。
 ヨーロッパを放浪していたときに、ネオンの光にひかれました。そして、アメリカBeverly hillsですっかり、はまってしまいました。30歳で、アメリカのネオンスクールで、ネオンの創り方を学び、京都で作家活動を続けて20数年。「宇宙を覗く隙間を探す」というテーマで作品創りをして、お寺、工事現場、ギャラリー、美術館、デパート、ショッピングモールいろいろな場所で、いろんな形で作品を発表させていただきました。
 ネオンの作品展示による空間創りは、すごく大変でしたが、楽しいものです。しかし、ほとんどの空間は、期間限定でした。日本にも常設のネオンアートのギャラリー、ミュージアムがあればよいな〜、と思い続けてました。
 自分で創るしかないか?!と思い、作品を販売せず、アトリエにため込みました。200点近い数の作品がアトリエで、輝いていました。でも…そのうち、限られたスペースで、管理も大変になってきました。
 いろいろな方々が、遊びにきてくださいますが、アクセスが悪く、制作している時は、ゆっくりしていただけません。
 そんなとき、サッカー部の先輩で、着物作家の藤井勝比琥氏が一緒にネオンアートギャラリーをやろうと声をかけてくださいました。日本は、大変な時期です。自粛して、日本全体が暗くなるより、京都からメッセージを発信し、盛り上げていこうという気持ちで、一気につくりました。
 そんなことで今まで、創りためた作品の常設展示ができ、小作品の展示販売ができるスペースが京都の街中にできました。京都の古い建物がもつエネルギーと、ネオンの光の融合です。
 小さな町屋なので、大きな作品は展示しておりませんが、ネオンの光でつくる気持ち良い空間を身近に楽しんでいただければと思っております。
京都にこられたときは、是非お立ち寄りください。

  撮影:小野博之

小作品のコンセプト
 われわれ人類は、人工的な光を発明し、その光の中で生活してきました。蝋燭に始まり、ガス灯、白熱灯、蛍光灯、LEDと進化してきました。
 100年以上前に発明されたネオンの光は、輝度が高く、光の線で、文字、絵が描けるという特性から、屋外広告、サインによく使用されてきましたが、生活空間の中で使用されなかったアウトローな光です。そんな光を生活空間に取りいれて、いままでとは違う形で、ネオンの光を楽しめればと思います。


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