サイン屋稼業奮戦記

 Vol.114
鹿児島の風土と共に
     九州支部 フェイス 白坂浩之

白坂浩之さん   弊社所在地は、九州南部に位置する西郷隆盛・桜島で有名な鹿児島にあり、今から11年前に開業しました。
  それまでは、鹿児島では老舗のネオン看板屋さんに勤務し、そこで23年間にわたり、営業から現場作業まで社長の下で学び、ある程度自分一人で出来これからと言う時に、まさかの倒産。独立については多少の不安もありましたが、それまでのお付き合いして頂いた方々のご協力と後押しもあって、今に至っております。
  業務内容と致しましては、ここ数年急速に需要が増えているLED関連商品で、チャンネル文字等にLEDモジュール、自立・壁面サインにLED投光器と、先日発表された青色LEDの発明にノーベル賞受賞の3名の方が発表され、その影響か、弊社でも以前にも増して看板広告でLED需要が増えてきています。
  世間一般では買い物はアマゾンや楽天、調べ物はヤフー&グーグルとネット依存というべき昨今です。ご多分に漏れず弊社でも、パソコンでの図面製作作業、メール添付ファイルでの打ち合わせ、何かとお互い出向いての打ち合わせ等は減り、他県からの依頼では未だに依頼主の顔を知らない事もしばしばあり、以前に比べ同業者や顧客とのお付き合いも減ったように感じます。
  唯一組合での会合では、同業者との交流によって近況や情報交換に役立てています。また施主からの依頼でネオン管を使う仕事は以前に比べぐっと減りましたが、それでも前の会社からの付き合いのあるネオン管曲げ職人の方と打ち合わせしながら少量のネオントランスを取り付け、古き良き時代?を懐かしく思っております。
  鹿児島県は九州新幹線乗り入れで、皆様がご存知の鹿児島駅から鹿児島中央駅へと人や物流の流れが移行して、その分周辺地区のサイン工事も増加しています。
  ここ数年弊社では、サイン以外では販促商品の取り扱いがあり、私の息子が参加しているサッカーチームからの依頼でTシャツ・タオルなどの製作から、色々と広がりを見せ、今は様々な商品に発展しています。
  最近世界規模で、火山活動が活発になり話題になっていますが、私の住んでいる地域では、生まれた時から桜島の火山灰に降られていました。例えて言うならば、東北・北海道では冬場には雪おろしが必要ですが、鹿児島では季節を問わず灰おろしとでもいうのでしょうか、灰の除去作業が必要となります。
  季節によって風向きが変わり、夏場は薩摩半島、冬場は大隅半島に降り注ぎ、特に夏場の日中は口や目、さらに皮膚に付着し、炎天下での看板作業は、暑さプラスアルファーの不快感があります。道路脇には積み上げられた灰が、泥交じりの雪の様でもあり、朝目覚めるとあたり一面灰色で、地元の方は出勤前に朝から車の洗車で大忙しです。他の汚れと違い、洗っても隙間に入った灰は流れ出ず蓄積して車を傷めます。 このようなことはサイン看板でも同様で、ネオン管・フイルム・照明器具どれを取っても屋外での環境条件は非常に悪く、県民もそんな大気を年中吸っているので、体に良いはずがないのですが、鹿児島は芋焼酎のメッカ。夜の焼酎で灰を胃袋に流し込み、日々元気に過ごしています。



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