サイン屋稼業奮戦記

 Vol.117
春の太陽を思わせるネオンの光をいつまでも
    関西支部 大阪クロード 松田政幸

松田政幸さん   昭和55年に、当時在学中でありましたデザイン専門学校の新卒採用求人募集の中から、大阪クロード株式会社を選び入社しました。
  もちろんの事ですが、それまでネオンについては何の経験も知識も無いわけでして、ただ単に看板のデザインに興味がある、というだけの思いで当社を選びました。
  しかしそんなド素人の私でしたが、ネオンが点灯された瞬間に放つあの怪しい光の魅力に取り憑かれ、ドンドン深みにはまってしまい今に至っております。
  先ず私が入社して最初にやり始めた作業は、看板文字を実寸のサイズに描画する原寸原稿です。
  社内には5m×10mの板張りの原寸部屋があり、毎日ひたすら書き続けていた事が強く記憶に残っています。
  その内容とは、原寸サイズに黒色で文字の輪郭を描き、その後赤色でネオンの配列を描き込んでいきます。それをネオン管の定尺内に収まるようにメジャーで測りながら切れ目を付けて、ネオンの線だけを再度別紙にトレースする。この時点でネオン原稿は完成します。
  その後、文字原稿に青色アンカー位置、緑色で文字補強の鉄骨ラインなどを描き込みます。もうここまでくると、4色のサインペンで色とりどりの原稿になってしまいます。
  この作業がネオン屋としての基礎訓練みたいなものになり、その基礎からネオン看板の設計やデザインのことが充分把握できるようになりました。
  今ではこれらの作業はすべてコンピューター化されていて非常に短期間で正確なものが製作出来るようになりました。最近ではネオンの需要が減り、折角スムーズになった作業があまり活躍できなくなったのは非常に残念なことです。
  しかしこれらの経験が現在LEDの制作にそのまま移行しており、ネオンの線表現からLEDの点表現に代わるだけの事で、ほとんど変わりありません。
  最近、よくネオンとLEDの違いを聞かれる事があります。
  私の思いとして、LEDはギラギラとしていて真夏の太陽のような輝き、ネオンは冬から春にかけてポカポカ暖めてくれるやわらかな太陽の輝きであると自分勝手に表現しております。
  先述致しましたがネオンの需要が激減しているのは非常に残念に思います。
  こんなに素晴らしいネオンの魅力を、これからもずっとアピールし続けて行きたいと思っております。



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