最前線シリーズ

 

様々なものと融合させる最新プロジェクションマッピング

(株)マスコミ文化協会 川崎玲美
 
 投影対象の形状に合わせて映像を映し出す「プロジェクションマッピング」。この言葉は、日本で2010年頃から使われ始め、2012年に東京駅で実施したのを切っかけに瞬く間に世間に浸透しました。
 最近では、映像表現のひとつとして定着してきており、もっと新しいことにチャレンジしようとする傾向がみられます。
 そこで、今回は、2015年に行われた最新プロジェクションマッピングを紹介したいと思います。

降雪とのコラボレーション
 パレットタウン(東京都江東区)内にある ショッピングモール「ヴィーナスフォート」では、2015年11月7日から2016年3月13日までの期間、(株)ネイキッドが手がける、天井に映像を投影する天空型3Dプロジェクションマッピングショー“VenusFort Christmas Projection Mapping 2015「Venus Starium」”が開催されます。
 中世ヨーロッパの街並を模した館内の天井に、6,000lmプロジェクター58台を使い映像を投影。実際に作品を見ると、商業施設にいながら、突然、異空間に迷い込んだように感じました。さらに、12月5日から25日の間は降雪イベント「SNOW WISH」と融合した特別バージョンとして開催。氷晶のCG映像と人工のリアルな雪が見事にマッチし、とても幻想的でした。

サウンドで驚くほどの没入感
 今年、日本で行われた大型のプロジェクションマッピングと言えば2015年5月3日から5日までの期間、国宝であり世界文化遺産でもある姫路城(兵庫県姫路市)を舞台にした3Dプロジェクションマッピングショー『姫路光絵巻「HAKUA」-新たなる羽ばたき-』です。(株)タケナカが手がけた同プロジェクションマッピングには、3日間で19万人以上の来場者が訪れました。
 このプロジェクションマッピングは、映像とサウンドの融合もポイントのひとつで、スマートフォンを会場のWi-Fiに接続すると「HAKUA」専用のマルチチャンネル音声を聞くことができました。これを使えば、3Dサラウンドにより抜群の没入感を体験することが可能で、さらに、海外からの来場者に向けて英語での同時通訳と、Kiss FM KOBEのDJ庄司悟氏とHAKUAクリエイティブディレクター福本和睦氏による副音声で、映像制作の裏話を聞くこともできました。

ペーパークラフトに映像を投影
 ジュエリーショップ「ミキモト銀座2丁目本店」のショーウィンドウでは、2015年11月13日から2016年2月14日までの期間、ペーパークラフトとプロジェクションマッピングを融合させたディスプレイ演出が行われます。
 これは、イギリス・ブリストルを拠点に活動するアーティストデュオ「Davy & Kristin McGuire(デイビー & クリスティン マグワイヤー)」によるもので、精巧につくられたペーパークラフトの舞台に映像を投影し、二組のカップルのロマンチックなストーリーが繰り広げられます。演出のディレクションを担当するのは、(一財)プロジェクションマッピング協会の代表理事をつとめる石多未知行氏。
 
 このように、プロジェクションマッピングを別のものと融合させ、ひとつの作品にする、またはより良いものに進化させる事例が増えています。今後はさらに新しい「プロジェクションマッピング」が楽しめると思います。



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