最前線シリーズ

 

五感で花を楽しむ体感型アートイベント

(株)マスコミ文化協会 川崎玲美
 
 2016年7月30日〜8月31日までの期間、東京ミッドタウン・ホール(東京都港区)で花の体感型アートイベント「FLOWERS BY NAKED魅惑の楽園」が開催されました。
 これは、同年1月に日本橋で行われた「FLOWERS BY NAKED 秘密の花園」の夏バージョン。生花やオブジェ、映像、インタラクティブ、香り、飲食などを組み合わせた同イベントは、前回、1ヶ月の開催期間でありながら、約7万人を動員、女性を中心に人気を集めたイベントです。今回は、さらにコンテンツを増やして開催! 私も体験してきたので、少しご紹介したいと思います。

夏らしい生花とデジタルの融合
 まずは、受付に掲げられた横断幕に目が止まりました。上下左右には、生花が植えられており、横断幕と相まってとても迫力のあるものとなっていました。

 さて、魅惑の楽園に入ると、「BIG BOOK」がお出迎え。これは、縦約2.5m、横約3mの巨大な本型のオブジェに映像を投影し、FLOWERS BY NAKEDの世界観を表現するもの。コンテンツは、3DCGと4Kで撮影された鹿児島県霧島市の迫力ある大自然の実写映像。これは、FLOWERS BY NAKEDの企画演出を手掛ける潟lイキッドの代表である村松亮太郎氏監修のもと、映画の撮影監督も務める藤原秀紀氏によって撮影されたものです。大きな本の前に立つと、自分が小さくなったような不思議な感覚がし、パラパラと本のページがめくれる様子を見ていると、まるで物語の中に入り込んでいくようでした。
 奥へと進むと、壁に突然3DCGの花が咲きました。これは、インタラクティブアート「MOSAIC FLOWERS」です。壁の前に立つとセンサーが反応し花が咲き、その花の花言葉を教えてくれます。花の種類は25種類。多くの人が、自分が咲かせた花の写真を撮って楽しんでいました。

 「MOSAIC FLOWERS」の隣には、空中に浮かぶ円形の巨大スクリーンがふたつ。スクリーンに投影されるコンテンツは、「Instagram」と連動しており、特定のハッシュタグを入れて写真を投稿すると、その写真が反映されます。スクリーンの大きさは直径3.6mと5.5m。見上げるほど大きく、迫力のあるコミュニケーションアートです。
 数多くのコンテンツの中でも、私のいちばんのお気に入りは、「SUN FLOWER」です。高さ約6mの半透明の塔に水面の映像が投影されており、塔の中心にあるひまわりのオブジェに触れると塔にマッピングされていた水面がひまわりの花に変わりキラキラと舞います。自分がお花に包まれると、それだけでワクワクとした気分になりました。

 そのまま、何かに導かれるように歩いていくと、生の植物を用いた生命力あふれるインタラクティブアート「LIFE」へと迷い込みました。3mを超える観葉植物モンステラや楽園をイメージした珍しい花々とオブジェで構成されており、中央に設置されたオブジェに触れると、映像投影により花から不思議な鳥が飛び立ったり魚が泳いだり、新しい生命の美と躍動感を感じるリアルとバーチャルが融合した作品です。
 ほかにも、ハワイで多く見られるバニヤンツリーを模したジュースバーや魅惑の楽園を作り出している研究所という設定の神秘的な洞窟など、多彩なコンテンツがありました。


空間を演出する効果
  「魅惑の花園」を作り上げているのは、幻想的なコンテンツだけではありません。会場内には、コンテンツに合わせた5つの香りが漂っています。これは、「アロマで空間をデザインする」をコンセプトに、天然の香りがもたらす心地よい香り空間を提供するアットアロマ(株)との共同開発で作られたアロマです。ふわりとした香りがとても心地よく、つい深呼吸したくなりました。
 また、同イベントは、四角部屋で行っているにもかかわらず、フィボナッチ数列を使った配置でコンテンツを置くことで、動線を作り出しながらも、奥へ奥へと誘います。歩いているだけで、自然と楽園に迷い込むような効果を発揮していました。



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