サイン屋稼業奮戦記

 Vol.127
現場でのお客様の喜びを糧に日々精進
    中国支部 クオレ 井原丈治

井原丈治さん  私が屋外広告業という職種に就いて、もう20年近くになります。
 まだまだ勉強中の身ではありますが、今までの経験を振り返りながら、現在の思いなどを交え書かせていただこうと思います。
 以前は建物の壁面にレリーフやモザイクタイルでの壁面装飾のデザイン、現場管理、施工をしていたデザイン会社に勤務しておりました。 当時は西日本を中心にあちらこちらの現場へ行かせてもらい、若かった自分には大変刺激になり、経験にも繋がりました。デザイン会社に勤務しているにもかかわらず、絵を描いたり、レイアウトしたりする事が不得意だったので、事務所でコンペに向けてのデザイン案を考えている時が苦痛でなりませんでした。
 そして、自分なりに精一杯考えてやっと仕上がった作品を先輩達と見比べると、雲泥の差があり、恥ずかしい思いの連続でした。ありきたりな発想のデザインしか描けない素人同然のような自分にも、先輩達と同じように時間を与えて下さった上司には、本当に感謝しつつ、励みにもなりました。その分、現場作業では、先輩達に追いつけるように全力で頑張って少しでも評価されたいと言う一心で頑張っていました。
 約20年前に今の職に就く事となりました。当時は新規工事看板の中には、ネオンサイン工事がかなり多く含まれており、図面や原稿作り、発注、組み込み作業等、ネオンを通して、この仕事で多くの事を新たに経験しながら、日々勉強させていただきました。
 そのネオンは、今やひっそりとしてしまい、新規での発注ではもうほとんど無くなってしまい、LEDへの時代の流れになっていきました。ネオンの光り方、形状のデザイン性は、ネオン独自のものであり、非常に少なくなってきてはいますが、やはり絶やさずに残り続けてほしいと願うばかりです。
 ネオン管の発注は、既存のネオン修理で年に数回程度しかしなくなり、ネオン業者さんともなかなかお会いする機会も減っていき寂しくなり、懐かしい昔を思い出すこともあります。
 最近の内照式看板等には、蛍光灯タイプやモジュールタイプのLEDになり、施工性は数段良くなって納期も短縮できるようになりました。組み込み中に、ネオン管を誤って破損してしまい、ネオン業者さんに慌てて発注するようなハプニングもなくなり、スムーズに仕事が出来ますが、作業中の思い出と言う件では、ここ数年少なくなってしまったように感じます。そうは言っても、会社的にはミスなくこなす事が最優先ですが。
 ネオンに代わって、LED等の色々な光の可能性の演出方法が普及してきて、とても多様化してきています。今までの看板の知識だけでは補いきれない状況にあると思いますので、日々勉強しつつ敏感なアンテナを張って様々な情報を吸収しながら、新しい事への試みも、この厳しい景気の状況の中、やっていかなくてはならない時だと思っております。
 この仕事をやっていて一番のやりがいは、お客様が完成した看板を見て、イメージ通りだと喜んでもらえた時の顔を見る事です。これだけは、今まで何十回、何百回と経験しても、その都度嬉しい気持ちでいっぱいです。これからも、お客様の立場に立って親身になり、より良いものを提供させていただけるよう、努力しないといけないと思っております。
 そのような点でも、これからは違反広告を製作しない、安全対策として適正な点検や管理を徹底できる環境作りを進めていかなければとも強く感じています。
 先日、屋外広告物点検技能講習会に出席させていただきましたが、多くの方が参加され、関心を持たれていました。安全点検等の講習会、及び専門的な勉強会は、これからの看板製作、保守等をしていく上で重要視される事項ですので、進んで参加していきたいと思っていますので宜しくお願い致します。
 中国支部の青年部にも数年前から入会させていただき、同世代の方たちとの交流も深めることができ、これから看板業界を繁栄させていければ良いなと考えております。共に仕事をする方たちに助けられ、今の自分がある訳ですので、これからは自分ももっと人を助け、求められる存在になれるよう、日々精進していきたいと思っておりますので、どうぞ宜しくお願い致します。



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