青年部コーナー

 

災害ボランティア活動

  関東甲信越北陸支部 (株)日高ネオン 梅根拓也


  毎年春先になると東日本大震災でのボランティア活動を思い出します。
 当時、震災の惨状を見るにつけ、どうにか現地でボランティア活動ができないかと模索しました。しばらくは現地での受け入れ態勢が整わず、やきもきしました。
 2011年6月にボランティアバスツアーに参加し、石巻市にて初めてボランティア活動を行いました。そこでは、ひしゃげた車がころがり、家は全壊、遺体があったことを示す旗棒もありました。あるお宅で家屋の中で散乱している家財道具を仕分けする事がその日の活動でした。歴史を感じさせる、泥だらけのタンスや天秤やアルバムなどを仕分ける作業は、「ボランティアをしている!」という充実感をもたらすものでした。
 このボランティアバスツアーに参加するまでは、正直言って、俺は高尚な活動をするのだ!と力んでいました。しかし、行ってみると、確かに凄まじい光景を目の当たりにしますが、1万円程度のツアーに申し込み、バスで現地へ行き、仕分け等をするだけだし、参加者には毎週のようにボランティア活動をする方もいたりする。これは身構えるほどのこともない、むしろ気軽に行くべきだな、スイッチを切り替えました。
 そんな気持ちで、2011年11月には青年部の北海道支部、東北支部、関東甲信越支部合同ボランティア活動に参加しました。同じく石巻市のある漁協事務所の廃棄物の仕分けを行いました。普段から現場でリーダーシップを発揮しているメンバーばかりで、あっという間に漁協事務所は整理されました。こんな活動は青年部ならではだな、とその可能性を実感しました。
 以降も幾度かボランティアに行きましたが、思い出に残っているのは福島県南相馬市のあるお宅での清掃です。ここも、初めて行った石巻市でのケースのように歴史を感じさせるお宅の家財整理でした。終了時間となって退去する際、一緒に作業していたそのお宅のご婦人と娘さんが、ボランティア参加者一人一人にお礼をおっしゃりながら、ボロボロ涙を流していたのでした。津波に家を壊され、原発事故で避難区域に指定され、思い出の品々が目の前で廃棄されたご婦人と娘さんの心中を察すると心が大変痛むのでした。
 伊豆七島の大島での土石流の泥すくいも、なかなか思い出深いです。青年会議所の活動でしたが、夜行のフェリーで早朝現地入りし、常駐スタッフに大きな土砂災害のつめ跡を案内いただいた後、ひたすら泥すくい。日ごろの不摂生のせいでめまいがするほど疲れました。山の半分が削られるほどの土石流の跡、いくらすくっても終わりませんでした。
 最近は仕事と子育てと地元の活動が忙しいおかげで、災害ボランティア活動ができていません。いつか再開できるまでは、地元でできるボランティア活動と復興観光ツアーで貢献をしたいと思います。
 みなさんも機会があれば、ボランティア活動に対し、身構えず、気軽に参加されることをおすすめします。大きな充実感を得られ、少しの社会貢献をすることができますよ!


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