点滅希

 
 「顔と名前」 
    

 名前と顔が一致しないという人がいる。イメージの話である。簡単な例で言うと、やさしそうな名前なのに、顔は強面とか、その逆とかパターンとしてはさまざまにあったりする。単に顔と名前がという場合が多いが、時には、目と名前とかというように具体的な部位になったりする。鼻のカタチと名前とか、耳のカタチと名前とか、もっといくと、鼻のアナのカタチと名前などというケースもあるかもしれない。こういうことを書いているということは、実はそうした場面に遭遇したことがあるからだ。
 それは眉のカタチであった。いつもは穏やかなやさしい眉と、その下にある目のカタチとセットにして、何とも言えない涼しさのようなものを漂わせていた女性が、何かを真剣に見つめたり考え込んだりすると険しい表情になる。特に眉はかなり尖ったカタチになり、眼つきも鋭い。実はこの時、その女性の名前が顔とマッチしていると感じた。分かりやすく言うと、先日引退した女子柔道の松本薫選手の反対版みたいなものだ。松本選手の場合は、薫という名前とは真逆にあるような表情を見せるが、先程の女性の場合、普段の表情からはちょっと意外な感じの名前がある。偉い方であり、都合で書か(け)ないが、だから、最初は名前と顔に一致しないものを感じる。しかし、ある時に見せる表情(顔)によって、名前に納得するのである。やさしい目とその上にある眉、連動するのは口元であり、普段はその三つが繋がりひとつのイメージを作っているのだ。ところで筆者の下の名は、非常におめでたい一文字である。しかし、社会の荒波に揉まれてきた今日では、顔(表情)と名前はたぶん一致していないだろうと思っている…。

(N.コト)

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