ちょっとヒント・うちの会社では

 
必要なのは不易流行
    四国支部 (有)瀬戸内ネオン 瀬尾 武

 当社は創業から55年を過ぎ、私が先代の父と代表を交代して5年ほどになります。
 父は最初高松市の電設会社で勤め、その後ネオン会社へ転職、数年後東京のネオン会社でもお世話になり、また高松市へ…。そして現在の会社を設立しました。
「昭和」を彩るネオン屋業は、ネオン管加工はもとより、看板加工、現場工事全体に忙しくてたまらないほどだったと父から聞かされました。しかしネオン主体だった看板もLEDメインの時代へと変化し、今ではネオンが街に溢れていた黄金時代が懐かしく思われます。もちろん現在もネオン管加工、工事も請け負っていますが以前と比べると看板とネオンの比率は逆転しているのが現状です。社名が「ネオン」とあり、ネオンしかしていない業者とよく間違われますが、ネオン技工士としてのプライドのせいか、会社名を変えるつもりは毛頭ありません。
 さて、話は変わりますが、そんな時代の変革の中において、目まぐるしく進化し、多様化する看板業は既存の加工技術の継承はもとより、新しい技術の習得、現場人員確保等大変な時代でもあります。
 やはり人員確保はかなり苦労します。そこでできるだけ人に頼らないように看板製作に必要な機械の設備投資に力を入れてきました。入社してくる人員は滅多になく、限られた時間、限られた人員での製作施工を強いられた際に「ならば製作だけでも機械に頼ろう」とNCルーター、レーザー、フィルムベタ貼り機、新規IJ、カッティングマシンを導入してきました。現場においては高所作業車、6段トラッククレーン等導入してきたわけです。おかげ様で製作施工においては大分時短かつ社員も楽して施工できる環境はできたと思います。
 しかし、ふと思ったのです。「現状を見ると機械を導入し自分で自己満足していたのか!?大量受注でマシンがフル活動することもなく、機械類がよく遊んでいるのが実情…。現場で使用するトラッククレーン、高所作業車等も同様じゃないか…もったいない…」。頭が固い自分は「導入した機械は看板を作る為のもの」とだけ思っていました。
 そんなある日、異業種の友達から「うちにも同じレーザーあるよ」とか別の人から「ルーターあるよ」と聞かされ、よく考えてみるとこの機械類は看板以外の業種でも活躍していることに改めて気づきました。機械のみならず、ネオン管技工士の技術も近年ネオン管加工の受注が減っている現状で、ほかにガラス加工や分野を超えた加工技術の転用を考えてみるのも手だなと思いました。
 これからの時代、固定観念を捨て、自企業の軸はそのままに、今ある技術を利用した新しいことにチャレンジしていくのもこれからの企業には必要なのかな…?と思った次第です。まさに必要なのは「不易流行」ではないでしょうか



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