サイン屋稼業奮戦記

 Vol.152
がむしゃらに頑張った30年!
    関東甲信越北陸支部 富士ネオン(株) 御子柴賢一郎

御子柴賢一郎さん 当社は昭和35年9月に富士ネオン製作所として、先代が創業いたしました。
 元々は町の電気屋さんだった先々代から、新しいことを始めたいとネオンに着目し東京都や山梨県のネオン屋さんに頭を下げ、仕事が終る夜間で良いのでと、場所もお借りし修行させて頂いたようです。
 まだまだ何もない時代、ゼロから物を作り出すことに、とても苦労したようです。
 生前先代は、自分一人では何もできなかった、沢山の良き師匠や、仲間に出会い、支えて頂いたことで今がある。だからこそ同志を大切にし、今度は「人に頼って頂ける様な人間、会社にしたいんだ」と口癖のように言っていました。
 先代はまだまだこれからと言う時に他界してしまいましたが、今でも私の心の中でモットーにしています。
 会社は先代が創業して60年を経過しておりますが、私は1992年に当時勤めていたNTT(当時 日本電電公社入社)を退社し、富士ネオン(株)に入社いたしました。26歳の年です。
 前職では、料金計算から徴収、営業をしていましたが、8年間ほどアルバイトで富士ネオンにいたことから、仕事に関しては何となくできる自信がありました。
 しかし、いざ入社してみると分からない事ばかり、現場に行けば現場監督さんに怒られてばかりでした。娘婿ということもあるのか、自社の職人さん達にも中々認めてもらえない日々…。毎日、小僧扱い…。前職で築いてきた実績なんて、何の役にも立たない、きつい毎日でした。
 つらいつらいと嘆いていても何も変わらない。じゃあどうすれば認めてもらえるようになるんだろうと考えました。
 今更学校に行ける年でもない。経験も当然一番大事。プラスアルファで、取ることができる資格を全て取得しようと考え、実行しました。そしてもう一つネオン屋であるなら、ネオン管を作れる技術を身に着けようと、入社して2年目に東京の富士ネオンさん(故亀井社長)に修行に出してもらいました。阪神淡路大震災があった年でもありました。
 ウィークリーマンションを借り、28歳にして初めての自炊、一人暮らし。
 ネオン屋さんですので、毎日がモグラのような生活。
 夜になれば各駅を回り、実際の看板ネオンを目にする事での知識の集積に明け暮れました。田舎では目にできない素晴らしい看板、技術が有りました。
 輝いているネオンを目にできる喜び半面、当時2歳になる息子を長野においての一人暮らし…正直寂しかったな〜。(涙)
 亀井社長が、たまに連れて行ってくれる近所の神社の縁日や、なじみのお寿司屋さんでのお寿司、武蔵小山の方の人情や親切さに、寂しさを癒されておりました。また、亀井社長と、兄弟子のスターネオンの篠崎さんに連れられて行く、納品時の車から見える街並みや、東京の大手看板屋さんとのやり取りが、当時の私には全て自分への財産になっていくような、そんな経験でした。
 今日でも大変お世話になっている、東京の大手ネオン屋さんの様に、「こんなに輝かしくて、大きくて、見ている人間を魅了できる看板、サイン」をいつか手掛けられるようになりたいと思ったのもこの時でした。
 今振り返ると、亀井社長との出会いが、現在の私の根底にあり、東京での経験、サイン協会への入会、大手ネオン屋さんとの繋がり、そして多くの仲間・同志(勝手に思っているのですが…)に出会え、ご指導いただけるのも、亀井社長のお陰だと思います。
 忙しさを理由に、墓前にも行けていない現在ですが、現況報告に行かねばいけません。そして、数多くの助けて頂いた方々、恩師、協会に恩返しをしなければ!
 代表になって11年目。振り返るとリーマンショックから始まり、最近ではコロナ…。潤沢に仕事を頂けるときもあれば、受注できないときもあれば…。
 下を向いて嘆いていても何も始まらない。楽観視していれば足元が簡単に崩れていく。だけど、「誠実に」安全な商品を、安全に設置する。当たり前の事を、当たり前に、確実に実行していく。見えない所ほど誠実に!「誠意」のある仕事が信用につながる。これを社員の全員と意識を共有して頑張っております。
 それが、自社のモットーであり、強みで有ると信じて、日々勉強・学習です!
 最後に、私の住む長野県の諏訪地域には、諏訪大社の総本山がございます。
 来年2022年は、7年に一度の「御柱祭」が開催されます。
 コロナが終息を迎えるのかどうかわかりませんが、3月末〜5月上旬開催に向け、地元では着々と準備を進めております。
 祭りと銘打っておりますが、神事ですので形を変えても行うことになります。
 全国の諏訪大社(神社)でも同様です。
 諏訪の地域の各家では、おいでになった方全てを御もてなす風習となっております。
 ご案内も致しますので、是非皆さんでお越しいただければ幸いで御座います。



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