World Sign バックナンバー 世界のサイン、遂に出版される
VOL.78  メキシコ・シティのポストが頑丈な理由
メキシコ・シティのポストが頑丈な理由

 発展途上国の訪問でガイドから先ず注意されるのは盗難対策と相場が決まっている。メキシコ・シティでも同様で、流しのタクシーは居直り強盗に変身するから絶対乗らないようにと言われた。どうせ責任上の過剰忠告と聞き流していたら、当地滞在7年目という、目のクリクリした日本人女性ガイドは「この私が被害に遭ったほどですから」と、真顔で言う。となるとホテルから乗るしかなく、行動は大いに制約されることになった。
 この都市随一の繁華街ソナ・ロッサならシェラトン・ホテルが控えているので宿泊ホテルまでのタクシーの便で好都合。その地区にある和食レストランで食事をするために何度も通った。
 ソナ・ロッサのウォッチングで面白いと思ったのは赤いポスト。かなりの大きさの鋳鉄製で、まるで鉄人28号の胴体のようだ。これも治安対策なのか、ダイナマイトで爆破しない限り壊れないだろう。肩の部分にポールが突き刺さっているので何だろうと思ったら、上端が大きなパネルサインになっていた。つまり、ポストはポール式媒体サインの支持母体。こんなものを支えるからにはよほど丈夫でなければならない、頑丈の目的はそこにあったのかと納得。こんなポストはちょっと珍しい。

 





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