World Sign バックナンバー 世界のサイン、遂に出版される
VOL.91  海に浮かぶ都市
海に浮かぶ都市

 最近、豪華客船での旅が人気のようで旅行社から頻繁にパンフレットが送られてくる。何日も船で寝泊りして観光地を巡る。上陸時間が拘束されるため、早朝と夕刻以降のウオッチングが海外旅行の欠かせない目的である私にはまったく興味がない。
 その豪華客船の雰囲気をちょっぴり味わった。ヘルシンキからストックホルムへの移動がバルト海を渡るフェリーの旅となっていたのだ。船というよりも海に浮かぶ都市といったスケールの大きさにビックリした。12層もあり、ディスコや美容室から浴場まで完備している。客室階の中央部分が6層に亘って吹き抜けとなっていてビルとビルに囲まれた店舗街の雰囲気なのだ。並んだサインが通りの活況を演出する。
 午後5時の離陸を祝ってデッキで同行者とワインで乾杯したが、そのまま興に乗って船上の酒盛りとなった。部屋に戻ったらベッドにダウン、夕飯も取らずに眠りこけ、起きたのが夜中の3時。薄明かりの中、窓外に次々と現れる島々とそこに建つコテージ風の建物に見入って夜明けを迎えた。
 デジカメの充電を船の中でするつもりだったが、うっかりして充電器をトランクにしまってしまった。船は飛行機と同じで預けた荷物を途中で開けることは絶対できない。「デジカメも電池がなければただの箱」翌日はそのことを痛感させられた。

 





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