インタビュー
MONAネオンミュージアム





Ms.Jan Sanchez and 	Ms.Sophia Mannick
Ms.Jan Sanchez(写真右)
Ms.Sophia Mannick



 ロサンゼルスのダウンタウンにあるグランド・ホープ公園内にネオン美術館 Museum of Neon Art (頭文字からMONA)はあります。
 世界でただ一つの常設のネオン美術館MONAは看板コレクションやネオンアートやサインの永久展示品を収蔵、展示。非営利で教育的な役割も持った施設です。  これまでに400人以上のアーティストが出品。またMONAのスタッフはアメリカや日本の美術館や美術センターのために展示を企画しています。
 1981年に2人のネオンアーティスト、リリー・ラキッチとライトアーティスト、ジム・ジェイキンスによって設立されたMONAは当初はリトル東京の近くで、次いでユニバーサルスタジオの近くと、2回移転しています。
 取材の申込に対応して下さったのはアーティストのMs.Jan Sanchezと美術館のスタッフのMs.Sophia Mannick。Ms.Sophia Mannickは在日経験もあり、カタコトの日本語を交え、全ネ協の板野副会長の通訳で話が進みました。

─ロスの ネオンサインやネオンアートは見所がたくさんですね。ネオンアートはアメリカ人の気質に合ったのでしょうか?

 アメリカ人はラスベガスのようなファンタスティックなネオンサインも好きですが、ネオンアートも大好きです。古い考えの人は新しいテクノロジーに反発している人もいますが、特に若者はネオンアートに親しみを持っています。 設立者の一人リリー・ラキッチは現在有名なネオンアーティストですが、若いころカリフォルニアからニューヨークに行く途中にネオンサインと運命的な出会いをします。まさにネオンに恋をしたんです。
 1958年から59年にかけてニューヨークで初めてネオンアートが紹介され、それからネオンアートムーブメントが始まりました。

─こどものためのワークショップをなさっているそうですが、子どもたちの様子はどうですか?

 開設当初からこどものクリエイティブワークショップを始めました。15〜20人のクラスを年に3、4回、年間約700人が受講します。制作過程のビデオを見て、それぞれのイメージしたデザインをペーパーなどで立体的に創ります。10年も経てばこの中からきっとネオンティーチストが出てくるでしょう。
 大人のクラスはネオンデザインテクニックの分かり易い入門コースです。デザインしたネオンアートを専門の人にチューブを曲げてもらい完成させます。多くの大学でもネオンアートのクラスがあり、たいへん関心を持たれています。

─ネオンアーティストはどのくらいいらっしゃいますか?

 今は13人の作品が展示されています。年間60〜70人の作品を3ヶ月に1回展示替えしています。全米には100人〜200人のネオンアーティストがいます。作品はほとんどの場合アーティストが自分で持ち込みます。

─MONAの運営方法は?

 メンバーシップ(会員制)とドネーション(寄付)とミュージアムショップの売り上げでMONAの維持費をまかなっています。1000人以上のメンバーが国内外からの訪問者を案内しています。この場所はロサンゼルス市が5年間無償で貸してくれました。ダウンタウンの人口のドーナツ化をくい止めるため、この建物の上はアパートになっています。また再開発にともなった安全できれいな街作りにも貢献しています。5年前ダウンタウンはきれいとはいえず、安全面にも問題があったんです。
 ロスのネオンの見所であるユニバーサルシティウォークには50ほどのネオンアートとサインが飾られていて、古いものも大切に修復することがネオン美術館とユニバーサルシティウォークのグループで約束されています。
 ロスのいろいろな所にネオンは効果的に使われています。小さなネオンは目を引きつけるだけでなく、実にキュート。
 ユニバーサルシティウォークでは新しいネオンサインと一緒に古い電球を使ったタイプも完全な形で見ることが出来、それは思いのほか光が美しく、デザインもお洒落。以前リリー・ラキッチの工房があったところには有名なモナリザのネオンもそのままになっています。ショッピングを楽しむ観光客で賑やかなアーケードはネオンサインとアートが融合し、その場所自体がもう一つのネオン美術館。双方ともネオンの持つパワーと可能性を感じさせます。

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