街のマスコット

 
 ― 壁面にクレー? ―  
    

 東京郊外のとある駅から、歩いて10分程のところ。変わり映えのしない、どこにでもある町。そんな一角にクレヨンでさまざまな色を描き込んだ不思議な絵が出現した。みていると、なんの脈絡もなくランドマークという言葉が浮かんできた。「…まっすぐいくとクレヨンで描いたような壁画のビルを右に曲がってください、そうすると…」という会話が聞こえてくるような気がする。この絵はこの変わり映えのしない町でひときわ重要な目印となるのだろう。
 朝夕、通学の途中でこの絵と出合った子供たちは記憶の底にこの絵をしまい込むのだ。そしていつか大人になって、色彩の魔術師と呼ばれたパウル・クレーの絵を見る時、どこかで見たような懐かしい気持ちになることだろう。

関東甲信越支部 C・I

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