日本三景の一つに安芸の宮島がある。朱塗りの大鳥居、夏の海で雅やかに行われる管絃祭、弥山の紅葉等はことのほか有名である。鹿が参道に溢れ、せんべいをねだるのも愛嬌があって頬笑ましい。
島の最高峰、弥山の山頂には小さな祠が七社も並び、宮島の七浦を鎮守している。山頂から眺める瀬戸の海は、これまた絶景と言うほかない。
NHKの大河ドラマ『義経』は、屋島から壇の浦へ舞台が移ることになる。その際、平家の武将は、守護神である厳島神社へ武運を祈ったに違いない。
鹿は前述の通り沢山群れている、が、此の島に野生の猿が住んでいることは、あまり知られていない。そのボスが交代した。ボスの座をめぐり、猿たちが大合戦を繰り広げ、島は半月も荒れ狂ったそうである。目を病んだボス猿を、涯から突き落としたらしい。ナンバー5の若い雄猿が上位の猿をも制し、ボスの座に就いたそうである。
猿を見習え、とまでは言わないが「お父さん、そろそろ僕に任せて…」と息子が言うのは何時だろうか。それを楽しみに毎日ぼやいたり吠えたりしている。
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