いつの頃からか、気象庁は「梅雨入り宣言」をしなくなった。今は「速報値」という名前で「どうやら関東甲信地方は梅雨入りしたようだ。」と曖昧に発表する。
宣言というものに責任が生じるかどうかは知らない。しかし昨今はクレーマーという困った輩がいて企業も役所も大変らしいから、存外そんな動機なのかも知れない。
気象庁は昨年9月1日に「平成20年の梅雨入り・明けと梅雨時期の特徴について」というものを発表した。この報告書で全国の梅雨入りと梅雨明けの確定値を一覧にしている。あとから言うのは簡単だろうと、よく見たら関東甲信の入りは「確定値5月28日ごろ」と書いてある。この期に及んで確定値が「ごろ」とはなんなんだ、余程小心者の集まりか。
でも自分はクレーマーではないから「関東甲信も広いし細かく見れば地域差があるのだろう」と温かく見守ることにする。けれど何か奥歯に物が挟まったような気分だ。
願わくは偉そうな名物予報士がいて声高に「梅雨入り宣言」をしてくれたほうがスッキリして気持ち良い。
宣言後に晴れ間が続いたりしたら「あのオヤジ今年も外しおった、ヘボやなあ」などと酒の肴にできて楽しいではないか。
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