前号で「起こし絵童話」をご紹介したが、これはまた起こし絵が進化した「ジオラマブック」とでも名付けたらいいようなものなのだ。本を観音開きに開くと周囲をぐるりと取り囲む鉄道の線路が現れ、一昔前の駅舎やホーム、車庫、給水塔などが立ち上がる。庭と菜園のある民家も3軒。セットされている人形や牛、馬、トラクターを並べれば立派なジオラマではないか。付属のネジ巻式機関車をレールの軌道に置けば建物の間を縫ってスイスイ走る。しかも、スイッチを押せば驀進する機関車と汽笛の擬音まで流れるのだ。このすべてが1冊の本の体裁で造られているのだから素晴らしい。こんな本を企画できるのはさすがにアメリカ。
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