今年5月の上海万博開幕から二カ月間の総入場者数が2000万人を超えたそうです。一日の入場者数は多い日で50万人に上るという話を直前に耳にしてはいましたが、そのピンとこない数字を入場前から実際に体感することとなりました。
中国も梅雨に入り、我々SDA視察団一行が万博見学に訪れた日はあいにくの雨模様。それにも関わらず入場するのにゲート前で一時間待ち、更に会場内では中国各地から詰めかけた入場者が傘をさしながら行列を作っている状態でした。パビリオンやレストランにはほとんど進んでいないような長蛇の列が出来ていて、中には4、5時間待ちの人気パビリオンもあるほどの盛況ぶりでした。
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中国館入り口 |
入場ゲートの前はセキュリティーチェックを受ける人で大行列です |
数あるパビリオンのうち、「中国館」と「日本館」は大人気と聞いていましたが「中国館」は旅行社を通じてあらかじめ時間予約されていたおかげで、一般よりも簡単に見学できたことは非常に幸運でありました。「中国館」の内容はまさに国力を示すに相応しい迫力を感じさせるものであり、かつての大阪万博のように国民に夢と希望を与えているような印象を受けました。
「中国館」を出て仲間からはぐれてしまった私は、横殴りの雨に打たれ、長蛇の列を横に見ながら、ただ会場内をさまよい歩くことしか出来ず、足を棒にして涙目で過ごすことになってしまいました。情けなくも「帰りたい」と弱音を吐いてしまいましたが、見渡せば地元中国人は雨だろうが5時間待ちだろうが平気な顔で楽しんでいる様子に圧倒されました。
夕方には、これもまた予約されていた「日本産業館」を並ぶことなく見学でき、SDA視察団一行はここで一旦解散となりました。ふと眺めると、いつしか雨は止み、会場を二分する黄浦江に架かる橋が虹色にライトアップされていました。たもとの各パビリオンも一斉に派手な照明演出を始めていて、会場内は昼間とは全く違った様子を見せていました。職業柄か、光の出現と共に急に興奮が高まり、再びメンバー数名と見学に繰り出しました。だいぶ人も減り、24時の閉館時間近くまでに三つのパビリオンを巡って長い一日が終了となりました。
世界一の人口を誇る中国は、とてつもない経済力を秘め、近代化に向かって突き進んでいる状況ですが、本物のチャイナパワーを体感するには、どの都市を巡るよりも今は上海万博を訪れるのが一番早い手段かもしれません。ここには今の中国を象徴する
「技術力」「経済力」「人間力」の全てが凝縮されているように感じられました。これから訪れる機会のある方は、是非肌で感じ取ってみて欲しいと思います。そして人気パビリオンを見学する際には、日本からの事前予約をお勧めします。
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パビリオンの一つである石油館 昼間は青一色の外観が、夜になると壁一面が巨大映像装置に変わります |
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