大正から昭和のはじめにかけて刊行されていた幼年雑誌「コドモノクニ」の素晴らしさについてはつとに語られてきているが、いまこの雑誌を手にすることは難しい。神田の古書店に行けばたまに目にすることができるが、かなりの値が付いている。
幻の本とされるゆえんだが、最近これが復刻版として刊行された。しかも挿絵部分だけの抜粋である。竹久夢二、武井武雄、岡本帰一、初山滋等そうそうたる画家の絵が盛りだくさんで目を見張らされる。かつて、一流の芸術家が幼い子どもたちのために心血を注いでいた時代があったのだ。まさに待ち望んでいた一書だ。 |
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