10月1日は衣替え、6月1日と合わせて年2回の習慣だ。これが江戸時代だと年に4回だったそうだ。幕府が武家の制度として定めたものが庶民にも定着したらしい。
4月1日から袷(あわせ=裏地の付いた着物)を着る。そして5月5日からは単(ひとえ=裏地のない1枚もの)に替える。9月1日から再び袷(あわせ)に替えて、9月9日からは綿入れ(表地と裏地の間に綿が詰められたもの)を着る。
なるほど、四季の移ろいに合わせて年4回にしたのだな、と思ったけれど、何だか変だ!これでは秋が8日しかないじゃないか…。恋する乙女には気の毒だが、ポエムに浸る間もなく、あっという間に冬がやって来る。それもやたらと長い冬だ。9月から翌年の3月末まで何と7か月も続くのだから。
江戸時代がそんな無茶苦茶な気候だったとは思えない。やはり気候に関係なく幕府の儀典に依るものか?でも、気候に合わない衣替えを江戸っ子たちが習慣にするとも思えない。やれやれ秋の夜長に眠れなくなる。
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