北海道が誇る海の幸、その中でも今の時期特に美味しくなるのが『ウニ』です。
ウニが苦手な方は苦味を理由とされる事が多いのですが、それはウニの保存料であり、身崩れ防止に使用されるミョウバンに漬け込む為、苦味が出るのです。海外からの輸入品などはウニの棲む海の水質も悪く、輸送時間も長いので大量のミョウバンが使われることになり、より苦味が強くなります。
北海道でも旬から外れるとミョウバンを使用したウニを見かける事が多いですが、旬であればミョウバンを使用していない『海水ウニ』と呼ばれる苦くないウニをスーパーでも買うことが出来ます。
海水を切ってそのまま頂くも良し、わさび醤油で頂くも良し、初めて食べる方はその甘味にきっと驚かれると思います。実はこのウニ、大きく分けて2種類ある事はご存知でしょうか。
まず、殆どの方が想像する長いトゲに黄色い身を持つ『ムラサキウニ』は市場に出回る80%〜90%占め、北海道に生息するものは特に『キタムラサキウニ』と呼ばれ、ムラサキウニより一回り大きいのが特徴です。
もう一つがこれがウニ? と言いたくなるほどとげが短く、身は濃いオレンジ。饅頭のような楕円形をした『バフンウニ』です。殻も黒いというよりは緑がかっていて、初めて見た人はウニだと解らないかも知れません。北海道で棲息するものは『エゾバフンウニ』と呼ばれ、やはり一回り大きいのです。この見た目も名前もムラサキウニより見劣りする不格好なバフンウニですが、実はムラサキウニより3〜5割程度高値で、ウニの中でも高級品とされています。小ぶりですがとろけるような食感を持ち、甘味が非常に濃厚です。ウニは同じ種類でも地域によって漁の解禁時期が異なる為、札幌近郊では6月〜8月、11月〜12月が旬となります。
今時期なら冷え切った体を辛めの熱燗と、軽く炙って甘味の増したウニで温める…というのが個人的に最高の楽しみ方だと思います。ちなみに6〜8月頃に小樽の土産物屋に行けばムラサキウニと並んでバフンウニも出回っていますので、もし夏の北海道に来られた際には食べ比べてみて下さい。焼きウニやウニ刺しを手頃な値段で味わえる露店もありますので、おススメです。
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