点滅希

 
 「暦」  
    

 今年の大寒は1月20日、1年で一番寒い日です。そう言われると「ほんまかいな」と疑ってしまう。
 1月5日が小寒、2月4日が立春で、その真ん中が大寒。二十四節気というので決まっている。
 さて、問題の「一番寒い日」であるが、過去50年の記録では1月末から2月初旬に集中しているとのこと。なんだ、本当に寒いのは大寒よりも立春の頃ではないか。
 暑さ真っ盛りの8月に「暦の上では秋ですが」などと言うのもしかり。年中そんなことを言っていたら暦の体を成さないではないか、実に怪しからん。どうせなら、そっくり半月ぐらい先にずらしてしまえば好かろう。と、ここまでは威勢よかったのだが、物知りに尋ねたら「いやいや違うんですよ」と教えられた。昼間の一番長い日が夏至、短い日が冬至、その中間に春分と秋分、この4つの其々の中間に、立春、立夏、立秋、立冬を設けた。つまり二十四節気の春夏秋冬とは日照時間の長さを基準に区切っているだけであって、暑さ寒さで感じる季節感とは始めから合っていないのだと。振り上げた拳の下ろしどころがなくなってしまった。まあよい、大寒にお燗といこう。

 
(頑)

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