点滅希

 
 「食材偽装は消費者の責任?」  
    

 今年は食材偽装がずいぶんと問題になった。発端となったホテルの社長は偽装ではなくて誤表示と強弁していてあっけにとられた。うっかりして間違えたのではたまたまのことだが、それが長年にわたって47種にも及んだとあっては故意にやったと言うしかないだろう。
  しかし、その偽装がその後高級ホテルや有名百貨店に次々と飛び火するに及んで業界ぐるみの慣例とわかってきた。マスコミはこぞってその悪徳商法をかきたてたが、被害者の声が一向に聞こえてこない。芝海老といって出されたものが安いバナメイエビとあってはお金を払った客がまずクレームを付けるべきなのに、そうしない。ということは、客はその食材を見分けることができなかったということだ。
  要するに被害者は海老の味にこだわったのではなく、高い金額にこだわったのだろう。高ければ高級なものに違いない。俺はこの高い金を払うだけの金持なのだというステイタスを買ったのだろう。だから、その買い物に満足して文句は言わない。
  私などスーパーに売っているエビもそばやで出す天ぷらそばのエビもエビはエビだから十分においしく満足している。(ただし大きさにはこだわる)グルメブームとは言うが、グルメも自分で味がわかる程度にしておく方が無駄なお金を使わなくて済むのではなかろうか。

(愚庵)

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