■ 黄色いキリスト
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ゴーギャンが描く「黄色いキリスト」は彼の代表作の一つだが、私はこの絵のキリストは画家の想像の産物ではないかと思っていた。磔刑のキリストには独特のデフォルメが加えられ、黄色もゴーギャンが好んで使う色であり、ほとんどの絵に大胆に見られる。 ところが、このキリスト像が実際にあったのだ。ブルターニュのポンタヴァンという小さ町を訪れたら、町外れの丘上に建つ素朴な礼拝堂の中にそれはあった。像はゴーギャンの絵そのままに素朴な形体で黄色い色彩が施されていた。まさに絵のモチーフは写実なのだ。礼拝堂の梁にはユーモラスな木彫りの人物や動物が配され、ほのぼのとしたものを感じた。 |
ホモ・ムーベンス
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