■ 『平成26年度秋季セミナー』 ■ |
関東ネ協 経営委員会副委員長 増田 剛 |
中小企業をめぐる当面の税務課題 昨年11月7日(金)の16時から、組合事務局において関東甲信越北陸支部恒例の『秋のセミナー』が開催されました。 この数年はサイン関連のテーマが主な課題でしたが、26年の経済的最大の話題が4月の消費税増税だった事から、今回は”税”に関するテーマで税理士の先生に講演をお願いしました。 講師は元・東京税理士会会長、元・日本税理士連合会副会長、また現・東京都税調査会委員であり、これまでも多くの講演会において講師を務められ、また多くの専門書も出版されている金子税務会計事務所の金子秀夫先生です。 講演の内容は税理事務事項に留まらず、政治背景、経済環境、国際情勢、他国との関係など、とても広い見地からお話しを頂きつつ、我々中小企業の状況を良くご存知で、身近な話題(消費税の転嫁が難しい実態や、低所得者ほど増税負担が大きい等)に合わせた内容でした。 併せて、当初は「消費税増税による現状と、今後の対策について」でお願いしましたが、「消費税だけでなく、消費税率改正の見通しと影響、法人税改正と中小企業。また来年から始まる相続税増税などの諸問題についても是非お話しましょう!」と90分の講演会では足りないほどの様々な内容を解り易く、そして楽しくお話して頂きました。 さて、講演の内容を皆様にお伝えしたいと思いましたが、いろいろな角度からのお話で書き切れないので先生からのコメントのホンの一部をお知らせします。 1、消費税は元々40年前にフランスでスタートしたもので、大雑把な国民性から徴税には最も便利で、言い換えればこれでしか取れなかったが、その一方で日本の税率の低さは他にも様々な税があるから当たり前のこと。 2、税制調査会の中で自分は唯一の一般人だが、“中小企業と価格転嫁”の議題でも税負担の不平等性の議論がない。まして大学の先生達は「中小企業は節税を中心に考えている」と思っているようだが、実際は赤字を出すより無理してでも黒字決済して、しっかり申告納税する事から銀行からの融資を得る儚い努力をしている。 3、相続重税への対応として @基礎控除縮小で相続税が身近に A相続税対策なしに中小企業の事業継承はない Bまず争族(身内での争い)を防ぐこと C暦年贈与は有効な手段。 4、これからの中小企業税制のポイント @民間企業の75%を占める中小企業の重視 A消費税(過度の依存をしない・複数税率は極力避ける) B法人税(法人税率引下げを望まない・投資、開発、研究減税―国内生産へのシフト換え・中小企業限定の租税特別処置を拡大) C相続・贈与税(中小企業の株式評価の軽減・無税無利息国債の発行)。 要約しますと以上です。会員の皆さんも税理士さんと契約されていて、これらの議題をご存知の方も多いと思いますが、私はこのセミナーを機会に財務に関して税理士にお任せするだけでなく、今まで以上に自ら相談出来るよう、様々な税に対してより多くの関心を持とうと思いました。 最後に、今後も組合員の皆様にとって有意義な勉強会を開催したいと考えておりますので、ご希望のテーマがありましたら、ご要望頂けると幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。 |