「うん、そう。空は蒼いんだよね。いまは暗くて黒いけど、ほんとはまっさおなんだね。……そう?」
「そう、だろうね、きっと。空は蒼いんだろうね」
「綺麗だね。ここから見ると。暗い空も、ネオンの街も……」
「最後にもう一杯、ウォッカ・トニックを呑もうか」
「うん、乾杯しよう」
「何に乾杯する?あなたの前途に対して?」
「ううん、そんなのつまらないよ……」
「では、このインタビューの……」
「成功を祝して?」
「いや……このインタビューは失敗しているような気がする」
「どうして?」
「本当に、どうしてそんな気がするんだろう……」
「あたしのインタビューなんて、成功しても失敗してもどっちでもいいけど……じゃあ、失敗を祝して、盛大に乾杯しよう!」
「うん、いいね、そうしよう……」
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