■ 看板業界の問題を一緒に考えるセミナー ■ | ||
一般社団法人 中国ネオン協会 青年部世話人 (有)共同ネオン電機 川上大作 | ||
私達中国エリアでは、6月22日(月)広島市内で関連業界団体と共に「看板業界の問題点を一緒に考えるセミナー」を開催しました。朝から小雨の降るなか中国地方全域、広島市職員、県外から、合計126名75社と沢山の方々にご参加者いただきました。 開催のきっかけは、2月に起きた札幌市の事故です。あの事故は私たち看板業を営む者にとって看板の危険性について改めて考え直す事になったと思います。あってはいけない事故、あるはずの無い事故が発生してしまい、一般の方、ビルオーナー、ビル管理会社、広告主など沢山の人々に不安感や看板業者の安全管理意識に疑問を抱かせることになってしまいました。 今、私達が信頼を取り戻す為に出来る事は、業界の問題点を考える事だと思います。それは個々で考えることも大事ですが、業界全体で考え、意識の統一を図ることが必要ではないでしょうか?そのような思いから今回のセミナー開催が実現いたしました。 開催に先立ち、まずは複数の看板業者、材料メーカーから代表者数名にご協力いただき、運営委員会を設立しました。そして毎週1回、業務が終わった後に集まり、今後業界としてどのような事に取組むべきか、セミナーではどんな講師を招き、何について意見交換するか、など真剣に話し合い、時間をかけて準備してきました。 セミナー第一部は株式会社泉建築設計事務所の菊池社長による講演で、以下のテーマについてお話いただきました。 ●事故から学ぶ ●点検改修の難しさ ●点検で安全性はわかるか?基準は? ●業者とビルオーナーの責任の軽重を判例か ら考える 設計士からの目線で沢山の判例をもとにいろいろなお話が聞けたと思います。質疑応答の時間には多くの方が発言され、普段聞けない事や疑問に思っていることをやり取りすることができました。 セミナー第二部ではグループディスカッションを行ないました。これは私達運営委員会が数日間かけて話し合って出した下記の議題をもとに、数名の班ごとに意見交換を行なうスタイルでしたが、運営委員会のメンバーが一人進行役として班に入り、できるだけ沢山の意見が出るように進めました。 @札幌の事故を受け、安全な看板とはどのような物だと思いますか? A業界は何に取り組むべきだと思いますか? B業界のレベルアップ化を図るには、どうすれば良いと思いますか? @の議題では・経験値による作業に頼らない物・維持管理が出来ている物・4m以下の看板でも構造計算がされている物など。 Aの議題では・メンテナンス契約・ガイドラインの作成・点検内容の統一化・クライアントに対して改修案など。 Bの議題では・点検項目の標準化(フォーマット統一)・定期的に講習会を開き業界で意見交換をする・スキルアップ競技会・団体加盟会社は安全で信頼できる施工会社と認識させる仕組みを作るなど。 どの議題も書き切れないほどの意見を頂き時間が足りないほどでした。中国地方では、これだけの方がひとつの場に集まり話合う場はなかったのではないかと思います。また別々の関連業界団体がともに考える場ができ、看板業界にとってはプラスになったのではないかと思います。 この「看板業界の問題点を一緒に考えるセミナー」には予想以上の人数の方にご参加いただき、大盛況のうちに幕を閉じました。これもセミナーを開催するにあたりご協力いただいた運営委員会の方々のお力でもあり、各社がこれからの業界のあり方を真剣に考えていただいた結果だと思います。 これからは、行政、クライアント、業界がともに考え、ひとつになる事が必要です。まだ考える事はたくさんありますが、まずは安全性を保つためにも、安全点検基準フォーマットの作成を急ぎ、各社が同じ点検方法で統一がはかれるよう進めてまいりたいと思います。 私たちは、このセミナーが成功で終わりではなく、業界発展の第一歩として、これからもお客様に安全で信頼のおける看板を作ってまいります。 |