イスラム国が占領の地で盛んに文化遺産を破壊しているという。この地球に存在する貴重な遺産が失われることは残念なことだ。
そんな中、東京都美術館で開催された大英博物館展を見学した。過去の歴史の中で生みだされたかけがえのない品々だった。大英博物館には700万点もの収蔵品があるそうだ。中には強奪に近い形で持ってきたものも多いはずだ。しかし、考え方によっては安全な場所で世界の遺産が保管されることは意義のあることだ。
でも、パルミラなどの都市的スケールの遺産はどうしょうもない。イスラム国がこの地を占領したというから、遺跡の中で戦闘行為が始まればひとたまりもない。近くはバーミアンの巨大石仏がタリバンによって爆破された。破壊はイスラム教徒だけが行うものではない。かつてアメリカはベトナム戦争時、古都フエの壮麗な王宮や、ミーソンに存在したかけがいのない神殿群の大部分を爆撃によって消失させた。それらの遺産は安全な地で保管することはできない。
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