1999年7の月(ノストラダムスの大予言)が何事もなく過ぎ去った翌8月に、アンパック・ジャパンへ入社し、ホロフェーン社製品の担当をする事になりました。
ホロフェーン社製の主力照明器具は、皆様もご存知のサインビュー、パネルビューです。初めて器具を見た時”何て大きいんだろう”と驚き、持ち上げて更にビックリ”何て重たいんだろう”と驚きました。
その後の作業で、私も何度もギックリ腰になり、我が身の体力の無さと、その重さを痛感させられています。ましてや現場のバケット車作業されている方にとって、重さは大変なご苦労だと思います。本当に使用して頂いて感謝しています。
重量を考慮されてなかった設計の為、サインビュー10台の使用予定が、看板強度不足で中止になったケースもありました。
当時の展示会で、何度も軽量化のご要望を頂きましたが、残念ながら約20年経った今も当時と同じ重さで販売しています。(アメリカ人は日本人の倍くらい大きいので重たいとは思っていないかもしれませんが?)
但し、とても頑丈に出来ている為、20年以上使用されている御客様もおられるようです。一長一短と言うべきでしょうか?(もちろん抜群の明るさと配光こそ一番の特徴ですが)
”Holophane” とはギリシャ語で全体を照らすとか、完全な光と言う意味だそうで、1895年にプリズムガラス製ガス燈の照明器具メーカーとして誕生し、今日に至っています。
元々ガラス作製が得意なメーカーであり、分厚いプリズムガラスが特徴で、そのガラスを支える為頑丈なボディとなったようです。
サインビューは、アメリカの映画やドラマの風景シーンにもよく出てきます。
ニコラス・ケージ、メグ・ライアン主演の”シティー・オブ・エンジェル”ではビルボード下でニコラスがチンピラに倒されるシーンがあり、古いサインビューがしっかり映されており、勝手に喜んでいました。
2007年6月には、ホロフェーン社へ3泊5日の照度計算セミナーに参加しました。
広島から成田、デトロイト、コロンバスと飛行機を乗り継ぎ、コロンバスからは車でグランビル(オハイオ州)まで日本から片道20時間以上かかりましたが、街はまるで映画”ステップフォワード・ワイフ”(ニコール・キッドマン主演)のような美しい街でした。(すいません。映画好きなので例えが映画ばかりで)
セミナーは丸2日間でしたが、パソコンを使用するソフトウェアセミナーなので、英語のみでも何とかなると楽観的に考えていましたが、現実は厳しく、セミナーの進み方があまりにも早いと言うか、理解力がついていかないと言うか、ワンステップをやり終えて顔を上げた時には次のステップの説明がすでに進んでおり、生きた心地のしないような時間を過ごしました。何度も”ちょっと待って”を繰り返し、相当参加者の皆さんの足を引っ張りました。
何とか2日間を終えた時は疲労困憊状態で、早く日本に帰りたいと切に思っていました。
それでも、滞在したホテルの前の公園では野生のリスを見かけたり、州によって違うようですが、ホテル内全面禁煙の為、スモーカーは野外で吸う等お国柄を感じました。
この街は冬にはマイナス30度くらいになるそうで、その為かスバルの車も多く見かけました。
セミナー参加者数名とバーでビールを飲んだりもし、苦しい中にも楽しい夜も経験できました。
2009年1月から会社を引き継ぎ、お陰様でここまで何とかやって来られました。
それまでは分析、計測分野で永年仕事をしており、眼に見えない世界を数値化する世界から、眼に見える物を鮮やかに見せる世界へ変わった訳です。いわゆる非人間的世界から人間的世界へ移って来たような感じです。
この業界に入るまでは、ほとんど上を見る事もありませんでしたが、街を上から見るように変わって行きました。シンプルながら奥の深い世界だと思います。
また2011年3月の東日本大震災後の明かりの消えた東京が、逆に照明の重要性を語っていたような気がしました。
現在LED化のご要望が多くありながら、ご要望にお応えできない状況ではありますが、今後円安から円高に流れが変わっていくならば、またご紹介できる時も来るかもしれないと思っています。
今後共宜しくお願い致します。
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