「いつか見たネオンサインD」 |
陽が沈み、星が輝きはじめた。 どうやら、明日も晴れるらしい。 「五時出発だな」 ぼくはアシスタントの鬼太郎に声をかけた。 「そうですね」 鬼太郎はいった。 モーテルのネオンサインが瞬きはじめた。 「今夜は飲むのを止めよう」 ぼくは自分に云いきかせるようにいった。 「一杯だけ、というのはどうです」 鬼太郎は片手を上げて飲む振りをした。 「いや、止めとこう。明日はすこし厳しいからね」 「砂漠の洞窟って、どうなっていいるんでしょうね」 「さあ、オレにもわからんね」 ぼくと鬼太郎は笑った。 |