ネオン前線北上中

 
 うちのカンバン娘 28 
東北支部 東北エスピー(株)
 製作・施工課デザインルーム
羽賀明美さん
羽賀明美さん ――デザインルームではどんなことをなさっていますか?
 サイン・看板等の製作です。主にカッティングシートを切ったり貼ったりしています。元データを変換して実寸大にサイズを変えたり、貼り位置を出してカットしたり。たまに看板の意匠図を描くこともあります。
――貼り位置というのは?
 カッティングシートを実際に貼る時に貼りやすいように、貼り位置の調整は大きさや形によって微妙に違うのですが、一色ずつの作業になります。カットして周りのカス取りをします。最近は凝ったデザインが多いので、インクジェットも増えてきました。インクジェットの場合はメディアに出力してカットすればよいのですが、カッティングシートの場合は色数が多いと手間がかかり大変です。でもインクジェットに比べ耐候性が良いので長持ちします。
――同じ部屋には何人いらっしゃいますか?
 4名です。全員女性です。私は4年になります。
――女性に向いている仕事なんでしょうね。力仕事ではないし、細やかさを要求されるのでは?
 そんなこともないと思いますが、それに力仕事もあります!
――それは何ですか?
 インクジェットのメディアの交換です。一巻き50mの裏面に糊がついているのでさらに重いです。12、3kgはあるかな、皆一人で交換しますよ。

――お休みの日は何を?
 一人暮らしなので、もっぱら家事で終わってしまいます。あとは読書かな。最近は道尾秀介の「カラスの親指」を読みました。おすすめです。前はドライブ。東北一帯、関東へも足を伸ばしました。
 
 う・ち・の・会・杜 143 
九州支部 
(有)宮崎サイン
後藤政弘さん
後藤政弘さん 後藤政弘さんが(有)宮崎サインを設立したのは平成4年。アルバイトで入った看板屋さんから10年ほど修行して独立しました。
 そのまた前は、群馬県の自動車部品の会社に勤務。自動車部品と看板では全くの畑違いではと伺うと、似ている所と、違うところがあるとのこと。「似ているのは製造業としてモノを作り出すということ。違うのは看板サインは毎回種類や、仕様、デザインが違うので、その都度発想の転換が要求されます。それもこの仕事の面白いところだと思います」
 後藤さんは郷里の宮崎に帰って、たまたま出会った看板の仕事が面白くなり、独立を決めたそうです。
 今ではアクリル加工からネオン管、LEDから鉄骨、取り付けまでサイン看板のことなら何でもこなします。「地方ではなんでもできないとやっていけない。逆にそれが強みですね」
 従業員は2名。「ざっくばらんな雰囲気で楽しく仕事をするのがモットーです」
 仕事内容に応じて協力関係を築いたお仲間が大勢います。趣味の海釣りを介しても仲間の輪がつながっていきます。
 「お客さんに対して主張すべきことは言いますね。こっちの方が良いとか、より安全だとか。もちろん無理強いはしないけれど。看板屋さんは個性が強い。自分もそうなのかな」
 「一番の趣味は“仕事”かな。何でも新しモノ好きです」
 後藤さんはご自分の還暦を記念して、船の模型作りを始めたそうです。横幅が1mの大型模型。きっと工夫のつまった船になることでしょう。3年後の完成が楽しみです。


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