5年前、日本は東日本大震災という非常に大きな災害を経験し、その復興も道半ばの状況の中で、今年4月には九州地方で熊本地震が発生し甚大な被害をもたらしました。昨年には私たちの会社のある広島でも豪雨による土砂災害も発生しており、自然の力を改めて痛感させられた出来事となりました。被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。
この度は『ちょっとヒント・うちの会社では』というテーマを頂きましたので、私たちの会社で取り組んでいる製造現場での改善活動についてご紹介します。
私たちの会社では改善活動として、日常の業務の中の改善提案を、一か月ごとに『改善提案書』として提出してもらっています。
改善提案と言っても改善に対して提案するだけではなく、実施した結果も併せて改善提案書としています。あくまで他人任せの提案ではなく、作業や職場環境の改善をすることを目的としています。
提案書の中には改善前と改善後の写真を添付し、改善についての説明とともに改善にかかった投資費用と予測効果時間・コストを記載するようにしています。そうすることで自分たちが日頃手がけている一つ一つの作業や、材料、備品、工具、設備に至るまでのコストを意識してもらえるようになりました。
もちろんそれらの改善結果が予測と違った結果になることもよくあります。ただ、予測と違ったことは大きな問題ではありません。その様子を上司・管理者が確認し、一緒になってもっと掘り下げて考えたり、違う角度で考え直すなど、考えることをやめないように促して継続的な活動になるよう取り組んでいます。
当社の現場では分業制が進んでおり、作業者は受け持ちの仕事をこなすことに集中しがちになっていることが多いため、実は作業の中での創意工夫で改善が出来ているのに、そのことに気付けていない場面もあります。上司・管理者は日々の巡回や製品の出来栄えの観察から、作業者の改善やそれに伴う変化に気付けるようアドバイスもしています。
提出される改善提案書は効果の大小はありますが年間で数百件にのぼり、その提案書は管理者によって提案評価が行われます。そして、その評価は年間改善提案の結果として『金賞・銀賞・銅賞・最多賞』として全社に披露し表彰しており、そのことが改善に対するモチベーションとなっています。
また、改善活動については別の切り口からも活動の啓発を行っています。それは週始めに行われる全体朝礼での社員全員持ち回りによる一言発表です。
当初は安全作業に関しての努力内容や工夫を発表する場としていましたが、それだけでは同じような内容の発表が多くなるため、社員自身が行っている取り組みや心掛けていることについても発表するようにしています。そうすることで周りから共感を得られたり、いろいろな意見を貰えたりすることもありますし、時には一人の発表からチームやグループで進めていくものに発展することもあります。
改善活動といえば製造現場では当たり前な活動と言ってしまえばそれまでですが、ほんの些細な当たり前の活動を継続していくことが会社の、みんなの財産になっています。 |