ちょっとヒント・うちの会社では

 
 記録の残し方  
    関東甲信越北陸支部 (株)東京システック 小野利器

 当社は昨年創業60周年を迎えました。今から60年前というと昭和30年代、映画「ALWAYS三丁目の夕日」の時代です。ネオンで一旗揚げようと私の祖父が興した会社が今に至ります。祖父も二代目の父も筆まめな性格で、会社にはその時々の会社経営などの記録が文書で数多く残っていて、私が事業を任されてからしばしば参考にしています。新入社員に会社の歴史を語るときにも大変重宝しています。その中で貴重な資料の一つとして社内報があります。昭和44年に発刊された創刊号のオリジナルがたった一部だけ手元に残っています。中身は社長の訓示、各部門長の意気込み、部活動などの社外活動の報告などが盛りだくさん。当時あった社員寮での若手社員による座談会の模様などはその時代背景を映し出していて、読んでいて楽しいものがあります。
 ところが、どこを探しても第2号以降の社内報が見当たらず、結局最初の勢いは続かなかったようです。そこで46年間休刊していた社内報を昨年4月に復刊させ、なんとか一年間続いています。今度は途中で挫折しないように、A4用紙の両面のボリュームに抑え、2カ月ごとの発行としました。第一面には社内の出来事や行事の記録を残し、第二面にはその期間に携わった代表的な工事物件を載せています。それぞれの記事は社員に書いてもらい、私が編集長としてまとめています。実は60周年を節目に記念アルバムを作ったのですが、昔の記録の掘り起こしが大変でした。将来社内報が数十年分たまれば、綴じるだけで立派なアルバムが完成すると目論んでいます。
 会社では日々いろいろな出来事があるものですが、ともすれば業務の忙しさに流されて記録を怠ってしまいがちです。人づてで語られていることも、代が変われば途絶えてしまう恐れがあります。ましてや昨今のようなデジタル社会では、一旦メモリに仕舞われると見返すことも少なくなります。皆さんの会社ではどのような記録の残し方をされているでしょうか。



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