おもしろいデジタルサイネージ |
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(株)マスコミ文化協会 川崎玲美 | ||||||||||||
2020年に向けて、ますます進化していくと思われるデジタルサイネージ。最近では、一般的なデジタルサイネージで映像を流すだけではなく、あっと驚くようなコンテンツを配信するものや、一風変わったデジタルサイネージなどが増えてきました。今回は、そんなおもしろいコンテンツやデジタルサイネージを紹介したいと思います。 アイテムが立体的に見えるショーケース 2017年2月13日から19日の期間、女の子の尽きない“かわいい”への欲望を叶えるセルフメーキャップブランド「マジョリカ マジョルカ」のプロモーションが、東京メトロ新宿駅東口改札 定期券売り場前コンコースのデジタルサイネージ「Metro Concourse Vision(MCV)」にて実施されました。
このプロモーションは、9本の柱に設置されているデジタルサイネージ35面に、異なる映像を放映し、ひとつの作品として空間をデザインしたものです。デジタルサイネージが博物館のショーケースのようなデザインに仕上げられており、とってもかわいい空間でした。動画は3Dアートの手法を駆使し、デジタルサイネージを斜めから見ることで「マジョリカ マジョルカ」の人気アイテムが立体的に浮遊しているように見えます。そして、9本の柱のデジタルサイネージの中をマジョリカバードが飛び回る仕掛けが施されました。 人の動線やデジタルサイネージの位置などが考慮されており、とても見やすく、驚くようなコンテンツでした。
「マジョリカ マジョルカ」は、女の子がかわいくなっていくというストーリーに合わせて商品をどんどん発表しています。このコンテンツでは、そういった“物語”を意識して、日常の世界に突如として魔法の世界への入り口が現れ、女の子たちが秘密の世界に入っていけるようなイメージにしたそうです。実際にネットでは多くの女の子たちがこの中に入りたい! という書き込みをしていました。 Web動画コンテンツと連動する映像 2017年4月17日から23日までの期間、東急東横線の渋谷駅ヒカリエ改札前にあるデジタルサイネージで、資生堂「マシェリ フレグランス ボディソープ」の広告として、「マシェリ」のイメージモデルである小松菜奈さんとNissy(西島隆弘)さんが共演したムービーが配信されました。
このコンテンツは同年3月24日よりマシェリの公式サイトで公開されているスペシャルムービー「永遠という名の花 〜MA CHERIE篇〜/〜花cherie篇〜」の駅限定オリジナル版となっています。この配信が開始された17日には、webサイトにて完結篇が公開されました。完結篇では、男女それぞれの視点から描いたふたつのストーリーを2面で見せ、最後はひとつのエンディングになるという演出をしており、このプロモーションも、完結篇に合わせ、デジタルサイネージの2面に一体感をもたせ、それぞれのストーリーで見せたり、ひとつの枠のようにつなげて見せたりする演出が行われました。 ダンスを踊るシーンでは、画面の左から右へと移動するふたりが描かれました。また、Nissyさんの楽曲も流れていました。 最新型自動販売機 駅の中には多くのデジタルサイネージがありますよね。JR東日本首都圏の駅(東京駅、新宿駅、横浜駅、品川駅、池袋駅、大崎駅、上野駅、千葉駅、立川駅、渋谷駅、大宮駅、秋葉原駅など)約20か所に「イノベーション自販機」があるのをご存知でしょうか。 「イノベーション自販機」は、46インチの大型ディスプレイが2枚設置された、最新型の自動販売機です。ディスプレイには、実物に近い大きさで商品が表示されます。スマートフォンアプリ「acure pass」と連動し、まとめ買いやプレゼント機能など、これまでにない自販機の体験ができます。 事前にアプリで商品を購入したあと、「イノベーション自販機」に QRコードをかざすと商品を受け取れる機能は、急いでいるときにとても便利です。 デジタルとアナログの融合
2017年3月には、NTTドコモ「学割キャンペーン」のプロモーションの一環としてJR秋葉原駅に「ドコモの学割 Flip-Dot」が設置されました。これは、1枚のドットがコイン1枚ほどの大きさの円盤を2万5千枚敷き詰めた、幅6m×高さ1mのドット型大型広告です。デジタルプログラムによって円盤一枚一枚がパタパタとオセロのように回転し、文字やアニメーションを表現します。近づくと自分の形が表示されるというような、インタラクティブな仕掛けも施され、デジタルとアナログが融合したこれまでにないデジタルサイネージでした。また、パタパタとドットが回転する音も楽しめる作品でした。 SFの世界を体験できる!?デジタルサイネージ 最後に、事例ではありませんが、おもしろいデジタルサイネージを2つ紹介したいと思います。1つ目は、触覚フィードバック機能を付加したデジタルサイネージ「Floating Image Hyper VisionTM」です。 これは、空中に結像した映像コンテンツに触った感覚が得られる「触覚フィードバック機能」を搭載した空中結像ディスプレイシステム付きデジタルサイネージです。これまで、映像が浮いて見えるデジタルサイネージはありましたが、触れた感覚があるものの商品化はこれが初めてではないでしょうか。まるでSF映画に出てきそうなディスプレイです。
2つ目は(株)NTTドコモが開発した空飛ぶ「浮遊球体ドローンディスプレイ」です。LEDフレームの内部にドローンを搭載し、LEDフレームを高速回転させることで全方向に映像を映し出すことができます。もちろん、広告媒体としても使うことが可能です。2017年6月7日から9日まで、幕張メッセで開催された展示会「デジタルサイネージ ジャパン2017」の(株)カケザンブースでも紹介されていました。 |