近年の景気低迷のため困窮する苦学生が増えているらしい。奨学金を借り、アルバイトに精を出しても追い付かない。そのため中途退学せざるを得ない状況に追い込まれるという。国からの私大への補助は本来2分の1と定められているのに年々減額され、昨年は1割を切った。そのため学費は増えるばかりだ。
私が不思議に思うのは、昔は私学の大部分が夜間に学ぶ苦学生のため二部の授業を行っていたのに、今は聞いたことがない。二部制なら昼間はフルに働け、勉学にしわ寄せがくることもない。授業料も昼間よりは安かった。実は、私もその二部で学んだ。
始業は夜の5時半からで1時間半の授業が3講座あった。宿題は日曜日にこなした。実習は夏休みと冬休みの期間中に行われた。これで昼間の学生と同じ授業をこなした。体はきつかったが学校ではみんな同じ仲間だからこぼす者はいなかった。私の大学では東大の教授が大勢講座を持っていて、結構有名な先生の講義を聴くことも出来た。
社会に出てから差別されることも一切なく、二部があったからこそ大学に行くことができたと、感謝している。苦学生のために夜間の制度を是非復活してほしいものだ。それとも、今は学生も先生も夜間まであくせくすることを嫌うのだろうか。
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