日本人は美的感覚に優れ、アートに才能を発揮している国民と言われる。確かに浮世絵をはじめ、歌舞伎、能、お茶など日本独特の芸術は数多い。浮世絵は20世紀初頭のヨーロッパ絵画に多大な影響を与えた。日本の美術館は大小を含め世界一と言われる。展覧会は常に満員盛況である。 しかし、私の周囲にはアートを好む人間は一人もいない。年に一回でも美術館に足を運ぶ友人もいない。私は大学の建築科を出ているが、同窓の学友で優れた建築作品を話題にするものはいない。自宅や会社に絵やアート作品を飾っているのもあまり見ない。 この落差をいかに理解すればいのだろうか。たまたま私がそういった友人に恵まれないだけなのか。あるいはアートを愛する日本人といえども、日本人全体から見ればごく一部に限られるのか。ともあれ、私はそのような会話ができなくて心寂しい。
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