「バベる!自力でビルを建てる男」 岡 啓輔 著 筑摩書房 |
セルフビルドという言葉があるように、自分の手で一から住居を建てる人たちが世の中には大勢いる。その多くはログハウスのような木造住宅であるが、この本の著者はなんと地下1階地上4階のコンクリート住宅を東京のど真ん中に一人で建てている。建築を知っているからこそ技術的には成せる技だが、逆に知っていれば到底挑戦できない難しさがコンクリート造にはある。 蟻鱒鳶ル(ありすまとんびる)と命名されたこの建築は2005年に着工して以来いまだ建設中だ。しかも再開発による立ち退き問題に直面している。本書には著者の建築に対する想いやドラマがぎっしりと詰まっていて、建築を知らない読者も楽しめるストーリーである。 |
関東甲信越北陸支部 T.O. |