当社は大正7年創業で、丁度今年100年目を迎えました。細々ではありますがこうして事業を継続できたことは社員や家族、また協力業者や仕入れ先業者、そして仕事を発注してくださったお客様のおかげなのだと思っております。感謝という言葉しか思いつきません。
私は平成10年に、当時30歳で代表取締役に就任し、今年で社長業20年になりました。職人歴としては工場が自宅と一緒であったこともあり、物心ついたころから父親や職人さんたちの作業を見たり手伝ったりしていたので看板業は45年ほどです。自身はあまり優秀ではなかったので良い会社に就職もできず、家業を手伝ってきました。看板仕事が暇な時は良く他の業種に手伝いに強制的に行かされまして、足場組み、塗装の手元や左官、配管設備、土間打ちなどなど割と建築に関わる仕事のアルバイトは経験しました。
以上のように、あまり頭の筋肉ではなく体の筋肉を使う仕事しかほぼしていないのですが、社長業と看板業の経験から「ちょっとヒント」は何かな?と考えますと、トタン看板作って文字書きしてた時代から、アクリルが出て電飾サインが生まれ大きな会社はネオンに進み、カッティングシート、シルク印刷、インクジェット、木から鉄骨、ステンレス。またLEDとデジタルサイネージ。さらに青焼き図面と原寸原稿手書きカーボン紙でトレース、ウィンドウズ95、スマートフォンなど、材料や道具の変化はあげればきりがありませんが、多分ですが全く変わっていないのは私たちが作った「看板」によって訴求し集客しお客様の商売繁盛のお手伝いをするという事なのではと思います。
そう考えて見ますと、どうも僕ら社長業の人間は次世代の材料は?とかオリンピックまでにどうだ?とかその後は?等々の時代や景気のことに振り回されすぎてやいないかと。
いや徹底して社長業をやる方はそれはそれで大変良い事だとは思います。もちろんとても大事で重要なことですし、決算書も読めないような社長業の方はいかがなものかとも思いますが、やはり本質の看板業の原点である、「文字」をいかに効率良く見せる、視認させる、イメージを持たせる、また安全にそれを設置取付する、配置するなどのそんな当たり前の事が重要な肝になるような気がするのです。
特にこれからの時代の変化は今までの私たちの経験では想像も出来ないような事になるかもしれませんし、もしかしたら25年前に逆戻りしたような世の中になる可能性もあるかもしれませんし。
私が社長就任してから8年で年間の売上が4倍になりました。そこから10年で売上が3分の1に減少しました。看板業ももうダメかなとも思いましたが、何てことはない自分の社長業のやり方が悪かっただけと、あるとき気が付きました。
先代が細々ですが、淡々とやってきた事、それこそがうちの会社の「ちょっとヒント」だったのかもしれません。
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