これといった趣味のない私ですが、事業承継が現実味を帯び始め、様々なプレッシャーが重くのし掛かるようになってきた35歳の時、現実から逃れるように登山を始めました。
この原稿の趣旨としては「頂上に着いた時の達成感が最高です!」なんて書くのが正解なのかも知れませんが、実際のところは息を切らしながら、「なぜ貴重な休みにこんな苦労をしているのだろう」と山中で後悔してみたり、水溜まりで登山靴を洗っている時に、2m先の岩だと思っていた物体がよく見ると熊の親子だったり、昼食を車の中に忘れて山頂で絶望してみたり、標高日本第5位の槍ヶ岳(3180m)山頂で標高が刻まれたプレートを持って記念撮影をしようとプレートを持ち上げた瞬間にギックリ腰になってしまったりと、散々な思いをしながらも未だに登山を続けております。
なぜそんな思いをしながらも、この苦行のような行為を趣味として続けているのでしょう。
それは、前述のように現実逃避のために始めた登山ですが、結局は山に入っている最中でも悩みを忘れることはできませんでした。山を歩きながらその時々の悩みとじっくり頭の中で向き合うことになるのですが、普段の考えで出す決断よりも山を歩きながら出す決断の方がよりポジティブでうまく行きそうな答えを導き出せるのです。
これからも様々な悩みを抱えながら、日々奮闘することになります。登山をしながら導き出した前向きな決断で、これからも会社を引っ張っていきたいと思っています。
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