表紙によせて─11

 

AURA MILLION 2017

  石澤暁夫

 
 今回から表紙を担当させて頂くことになりました。よろしくお願い致します。
 私は抽象画を始めて二十数年になります。抽象画は具象と違い、かたちにとらわれることなく何を描いても表現は自由。何かしらの束縛から解き放たれる大きな快感が抽象画の創作過程にはあります。
 石膏をトロトロに練ってバケツでキャンバスにぶちまける。板切れでフォルムを作る。硬化が始まり4、5分が勝負。何ができるのか?どうできるのか?不安と恍惚の間で楽しんで描いています。
 「何を描いたのですか?」展覧会を開くと必ず訊かれるフレーズです。
 私の作品のほとんどは「オーラ、ミリオン」。オーラとは人が醸し出す雰囲気やエネルギー。その人の思いや考えが波動となって放出される。ミリオンは百万の単位で沢山という解釈で使っています。つまり人の思いは沢山あり、無数の喜怒哀楽があります。そんな心のヒダを絵に表現したいと思っています。
 人の思いは瞬時に変わります。一番あてにならず曖昧なものです。抽象画はそんな曖昧なもの。風景に見えたり花に見えたり岩に見えたりあるいはエロチックに見えたり。観る人によって様々にモチーフを変えます。またその時の気分でも絵の見え方は変わります。だからあえて固有のタイトルはありません。
 あなたにはどのように見えますか?
 あなたのナチュラルな感性で感じて欲しいと思います。イメージの翼を広げてみてください。

 


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