当社は、札幌に拠点を置き、道内で看板工事を施工する会社です。
3年前先代の七條社長がアスベストが原因の肺の病気で亡くなり、私が引き継ぎました。以前は、ネオン管の製管工場を持ち、ススキノを含め道内の色々な都市へネオン管の箱を持って、二日三日と泊まり込みで工事に出かけていたものです。
最近では、点滅を施した派手なネオン看板が、あっという間にLEDとパナグラなどの内照型看板にとって代わってしまい、個人的には少し寂しい気持ちです。
一気に需要が少なくなってしまった、自社のネオン管製管の部門は、閉鎖してからもう10年が経ちました。元のネオン管製作の作業場には、色とりどりの原管が、まだ大量に保管されています。この原管が加工されて、陽の目を見る日は無いのだろうな…とか、LEDでは出せない、いろいろな色のネオン管を使った点滅する看板が、また見直される事はもう無いのかな…?とか考えると、ちょっと感傷的になります。排気装置も含めて「時代に取り残されたネオン管の資材や機材は、ただのごみなのか…」などと考えてしまいます。製品になれば、宝物のように輝くんですけどほとんどガラス物なので、今では分別して始末するにも金額の張るゴミ扱いです。
ネオン工事やLED看板の工事のほかに昔から、当社ではアイスホッケー場やジャンプ競技場の電光得点盤などの設置作業も行ってきました。さっぽろテレビ塔の時計の球や、各競技場の表示球もどんどんLED化してしまい、定期的に行っていた球交換作業も、全く無くなってしまい淋しいものです。
看板も含めて電光盤も、規格製品ではないので、その都度取り付け方法や仕様が違うのは皆さんもご存じと思います。
当社が一番気を付けているのは、現場作業を極力簡略化し、現場での作業時間を短縮することです。現場の周囲の状況、看板体の造りや取り付け方法を考慮して「現場での作業は、短時間で終わらせる」を最優先に考えています。
元請さんにお願いして、図面の段階で加工のし直しをお願いしたりして現場作業の時間がなるべく短くなるように、段取りをしています。それでも、中には現地で直接見て取付け場所を決める…などと言うような、こちらの意図を組んでくれないお客さんもいます。現地で、穴あけや加工の手間が掛かると、道具も多くなり、時間の無駄にもなるのを理解してほしいものです。ほぼ出来上がり状態にして現地では、取り付けるだけ…を目標にしています。事前の作業は、時間を掛けてでも、工場でできるだけ行います。
ネオン工事がLEDに置き変わることで、当社の仕事の内容もがらりと変わりましたし、コロナの影響で仕事の量が減ったりの状況が続いていますけど、何とか頑張ってこの会社を長く盛り立てていこうと思っています。
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