技術屋気質が体に染み付いているせいか、私は理から入る事が多い。
この寄稿も、先ず「趣味」とは何ぞやから考えてみたい。辞書によると趣味とは、楽しみ・面白み・味わい・打ち込むもの・風流を解する力、となっている。
漢字の字体の組立からすれば、「おもむきと味わいのある楽しみ」との解釈が適当と考えられる。
因みに英語でInterest、訳語は、興味・関心・趣味・道楽とあるが、道楽こそが趣味の本質ではないか、とも考えられる。
「趣味は何ですか」
私を良く知っている人ほど
「休日に楽しむゴルフです」との返事を期待しているようですが、
「無趣味です。強いて探せば、仕事だよ」と答えてきました。
酒をあまり飲まない、というより飲めない私は、若い頃から競技としてのゴルフに興味をもち、手を染めたのでした。
猛烈な練習と技術学習で、そこそこの腕になりましたが、スポーツとしてのゴルフは、常に技術の向上を求める事なので「趣味」の領域とは、違うものだからです。
私がゴルフに魅せられたのは、自分の間違いがすべてである、という点と自分との戦い、だという点です。
目標を達成する為の努力は、過酷で果てしないもので、「楽しみ・味わい・おもむき」とは異なった思いがあるからです。
堅苦しい事を言ってきましたが、少しは楽しみもあるのです。それはキャディーとの連携です。
ゴルフは数あるスポーツのなかで、唯一従者を従えた競技である為、相談できる味方と同伴できる楽しみがあることです。
如からば同伴競技者はなんであろうか、私は最近、同伴者は己の鏡ではないか、と思っています。
自分の姿は自分には見えづらい、他人の失敗は見える。これを「他山の石」として認識できればとも、考えるようになったのです。
ひょっとすれば、競技の世界から「趣味」の世界へ少し変化を果たしているのでしょうか。
球技の世界では、「柔能く剛を制す」との格言がありますが、アゲンストを制しようと、強打しての失敗がありますが、もって銘すべき事だと思います。
ゴルフも「向こう三軒両隣り」の感覚で、プレーできれば「趣味」の世界に到達する事になるのではないか、と思う今日この頃です。
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