名門百貨店ハロッズのハロッズ的トイレ体験 | ||
(株)東京システック 小野博之 | ||
「下水道の施設率はその国の文化レベルに比例する」とはよく言われるが、公衆トイレの設置率は文化レベルに比例しないようで、先進国の旅でもトイレには常に苦労させられる。 今年の夏イギリスを旅し、ロンドンの街をまる一日半歩き回ったときもトイレには苦労した。地方の観光地では当然公衆トイレが完備していたが、全域が観光地とも言うべきロンドン市内ではどこへ行ってもこの公衆トイレが見当たらないのだ。 建物内部のアールヌーボー様式の装飾が素晴らしいと聞いていたので、今回のツアーでも是非見てみたいと思っていた。なるほど、古代エジプトをモチーフとした吹き抜けのエレベーター周りの装飾の豪華なこと、デパートとは思えないぐらいで金もかかっていそうだ。 後学のためトイレも是非拝見したいものと思っていた。日本のデパートでは各フロアのエスカレーター付近にその階の見取り図を掲げ、トイレの位置も明示してあるのが普通だが、ハロッズではそのようなものは見かけなかった。トイレも各フロアにはないようで何フロアか探し回り、方向表示の吊り下げサインを見つけたときはほっとした。 かくして、やっとたどり着いたトイレの前にはホテルのボーイよろしく、モールの縁取りのある制服を着た若い女性が立っていてニッコリと会釈した。 しかし、高い料金を取るだけあって中は立派、ゆったりとして気品がある。 後日、加納典明が週刊新潮のコラムでこの百貨店で買い物をした時のことを書いていたのを目にしたが、靴下など高いといっても知れたものと、値札も見ずに三足買ったら一足何と1万円も取られたとボヤいていた。ハロッズなればさもありなん。 |
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味自慢・酒自慢 | ||
昆布巻き蒲鉾 | ||
北陸支部(株)宝来社 荒井泰晴 | ||
全国を旅する時、各地の蒲鉾を食するのが私の楽しみです。富山市は全国で二番目に蒲鉾を食べるところと知ったのは最近のことです。(年間1所帯あたり約1万円、1位は仙台市で1万3千4百円)
海外旅行などによく持っていくのが、昆布巻蒲鉾。それがあれば何とか元気が出るから不思議です。その昔、北前船で北海道から運ばれた昆布を利用、考案したもので、昆布ロードの名残が受け継がれ富山の名産となっております。 蒲鉾は、すけそう鱈を主原料にしていますが、富山の蒲鉾は、飛び魚を加えてネチッとした食感とすり身色が特徴で、小田原の蒲鉾とは正反対の味です。 日本古来、結婚式の本膳料理に蒲鉾が多されていましたが、富山では紅・白・鯛・結・宝船・富士・日の出鶴・亀・浦付の九種盛りの細工蒲鉾の籠盛りを引き出物にする習慣がいまだに残っており、その職人芸の美しさと共に味わう蒲鉾も楽しみです。 |