北陸の地はかつて福井は越前、石川は加賀、富山は越中と呼ばれ、総称としては福井から新潟までは越の國と呼ばれていました。その越の國に面する日本海は、越前ガニ、富山湾のホタルイカ、氷見漁港の寒ぶり等、海産物には事欠かないほど多くの特産品があります。特に越前の塩うに、加賀・越中のこのわたと九州のからすみは日本三大珍味として、多くの美食ファンをうならせています。
しかし今回ご紹介いたしますのは、我が福井の越前そばです。地元では、おろしそば(別名からみそば)として庶民が食していますが、食べ方のスタイルはいたって簡単で、めんつゆにおろし大根が入っており、茹で上げた麺を冷水でしめ、そのめんつゆをぶっかけて食べるもよし、つけめんで食べるもよしと、そのシンプルさは素朴そのものと言えるでしょう。
おろしそばのルーツは慶長六年(1601年)本多富正公が伏見から府中(現在の福井県武生市)城主に国替えした時、金子権左ェ門というそば師を連れてきて、そばの栽培を奨励させ、非常食として、現在のようにめん状に茹で、大根おろしを添えて食べたと言われています。また、越前そばの命名は、昭和22年に昭和天皇が北陸を視察された時に武生でおろしそばを食べられ、その後『あの越前のそば』と口にされたことから『越前そば』と命名されたと言われています。
おろしそばは全国的に有名になってきましたが、我が地元越前府中(武生市)へ来られた折には、是非食していただきたいと思います。 追伸、東京で『自由闊達』絵画個展をした時の絵をカットで入れさせていただきましたので、また個展をした時には御高覧下さいませ。
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