1,000V以下のインバ−タ式放電灯用安定器が開発され、その小型、軽量のメリットを生かした工事方法についても改良が行われてきた。ところが1,000V以下のネオン放電灯工事については、電気設備の技術基準の解釈(以下「解釈」という)に明確にされていなかったことから、この工事方法について一部混乱が見られたため、全ネ協として平成7年3月に自主基準を設定し、業界に徹底を図って、安全性の確保に努めてきた。
一方、「解釈」の明確化を求めて、資源エネルギ−庁に対し、平成12年8月に改正の申請を行い、それ以降、日本電気基準規格委員会使用設備専門部会(事務局は日本電気協会)で4回、技術基準適合評価委員会使用設備作業会(事務局は日本電気協会)で7回の審議を経て、平成15年4月ようやく「解釈」の改正を実現することが出来た。2年半に及ぶロングランの交渉となったが、ほぼ全ネ協の要望通りの内容で改正に漕ぎ着けることが出来たのは、会員各位の絶大なご支援、ご協力のお陰であると感謝申し上げる次第である。以下に改正された主な内容についてお知らせする。なお適用は平成15年10月1日からである。
1.「解釈」208条
(屋内のネオン放電灯工事)関連 |
一番関連のある条項であるが、1,000V超過のネオン放電灯工事の規定はあるものの、1,000V以下については規定が無かったのが、今回次のごとく明確化された。
すなわち同条に2項が新設され、屋内に施設する一部が開放された看板(看板を取り付ける造営材側の側面に開放部を設けたものに限る)または密閉された看板の枠内に施設される管灯回路の使用電圧が1,000V以下の放電灯であって放電管にネオン放電管を使用したものは、次の各号により人が容易に触れるおそれがない場所に、危険のおそれがないように施設することと規定された。そして
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電気用品安全法の適用を受ける蛍光灯用安定器(定格二次短絡電流が1回路あたり50mA以下の絶縁変圧器のもの)であって、二次側に口出し線を有しているものは使用できる。 |
A |
電線として蛍光灯電線が使用できる。 |
B |
電線は、看板枠内の側面または下面に取り付け、かつ電線と看板枠とは直接接触しないように施設すればよい。 |
C |
電線の支持点間の距離は、1 m以下であれば良い。 |
D |
放電管は、看板の枠や造営材と接触しないよう施設し、かつ放電管の電極部分と看板の枠または造営材との離隔距離は2cm以上あればよい。等が明確に規定された。なお、ここで言う造営材とは、天井、壁、床、柱、棚およびそれらのはめ込み部等のことである。(電気用品の技術基準、別表第八 1.共通事項 ニ.細則による) |
「解釈」208条の改正に伴い、関連する「解釈」206,207,209および218条がそれぞれ改正された。なお、これらの詳細は、別途全会員宛に同封してある「平成15年4月15日付経済産業省資源エネルギー庁原子力安全・保安院電力安全課文書」を参照頂きたい。
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改正される「解釈」の内容を、分かりやすく具体的に示して、業界内に周知徹底を図ると共に、オ−ム社発行、全ネ協編「ネオンサインの知識と実務」の見直しを行わねばならない。 |
A |
「解釈」218条(屋側または屋外の放電灯工事)において、1,000V以下の内容が規定されていないので、これの明確化を図っていく必要がある。 |
B |
「解釈」208条で今回適用外となった、屋内に施設する一部が開放された看板(看板を取り付ける造営材側の側面に開放部を設けたものに限る)または密閉された看板以外の看板について、明確化を図っていく必要がある。 |