ほっとコーナー

味自慢・酒自慢 櫃まぶし
中部支部 (株)アドワーク 日下部美佐治
 

 名古屋名物といえば数々ありますが、なんといっても「櫃まぶし」。
 皆さんはうな丼はよくご存じかと思いますが、櫃まぶしは関東、関西ではまだご存じの方は少ないと思います。うな丼は人によってはくどいと思われるでしょうが、櫃まぶしは非常にさっぱりしておいしいのです。うなぎの蒲焼きを細かく切ってお櫃に入れたご飯にまぶした料理です。なんだとお思いでしょうが、食べ方がとってもユニークなのです。お櫃にお茶碗三杯ぐらいのうなぎをまぶしたご飯が入っています。まず一杯はそのまま、二杯目はネギ、わさび、キザミのりをのせて食べます。三杯目は薬味をのせて、ダシ汁をかけて食べます。うなぎをお茶漬けで食べるなんて、生臭そうと思われるでしょうが、それがまたさっぱりした味なのです。一度に三種類味わえて、非常に得した気分になれます。名古屋ならではの食べ方でしょう。
 うなぎと聞くと浜名湖とお思いでしょうが、実は愛知県が全国一の水揚げ量なのです。あまり知っている人は少ないと思いますが…。そして名古屋の暑い暑い夏を乗り切るために、こってりしたうな丼をさっぱりといただくのが名古屋人の「生活の知恵」なのでしょう。
 この櫃まぶしを考案したのが名古屋市中区にある「いば昇」錦三丁目の繁華街、ビルの狭間にあるシブイ木造建築のお店です。三代目のご主人が、うなぎをおいしく食べる工夫をして出来上がった櫃まぶしはあっという間に広まって、今や名古屋の名物になっています。他にも熱田区に「蓬莱陣屋」という有名なお店があります。まだまだ名古屋には「手羽先」「天むす」「味噌煮込みうどん」「あんかけスパゲティ」「エビフライ」などたくさんあります。2005年万博にご来名の折りには名古屋名物をご賞味下さい。


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