NEOS Topics

 Vol.78
 
 たばこ看板規制で屋外広告に地殻変動     
 今年5月に世界保健機関(WHO)が「たばこ規制枠組み条約」を採択、各国で5年以内にたばこ広告が禁止されることになった。日本では、既に01年、JTや海外のたばこ会社の合意で面積35uを超える屋外広告が禁止になっている。
 このような事情から、新聞紙上等に業界全体の広告縮小の流れを心配する報道が見られるが、一方ではたばこの撤退で空いた広告板が、市場に新たな屋外広告の場を生み出しているとの見方もあり、現にこれをビジネスチャンスと捉えて活発な動きが出てきているとの指摘もある。
 いずれにせよ、たばこ看板の規制で屋外広告に大きな地殻変動が起こっていることは確かである。この件に関して朝日新聞では当協会廣邊会長に取材を申し入れ、7月5日付夕刊社会面トップに記事を掲載した。以下はその抜粋である。

『屋外広告 業界の減収100億円』
 屋外広告業界にとって、たばこはドル箱だった。全日本ネオン協会の廣邊裕二会長によると、85年に外国たばこが自由化され、宣伝競争が激化。テレビCMの自主規制が始まり、浮いた巨額の広告費が屋外なだれ込んだ。屋外全体の料金を異常につりあげ、場所が良ければ年1千万円にもなった。02年の大型広告の自主規制後、料金は3分の1程度に急落した。「業界全体で年100億円以上の収入減です」と廣邊会長は言う。きっかけは、JTや海外のたばこ会社が01年に合意した「マーケティング国際基準」だ。面積35平方メートルを超える屋外広告が禁止になった。日本には基準を超える大型広告が千数百基あったといい、各社は昨年末までにすべて取り外した。
 
 グリコネオンが大阪市「景観形成物」に    
 大阪市は、平成10年9月に都市景観条例を制定、市域の景観向上を進めてきたが、このたび、その一環として道頓堀にある江崎グリコのネオン塔や通天閣など12件を「指定景観形成物」に初めて指定した。
 これは、大阪市が市都市景観委員会の意見を聞き、所有者の同意を得て、市民などに親しまれ都市景観の形成上重要であると認められる建築物または樹木等の有体物が指定されるもの。
 屋外サインがこのように都市の景観形成における重要物件として認知され、指定を受けたことはかつて例が無く、業界としても喜ばしいことである。
 
 テーマは「景観と活力になう屋外広告」 第30回「屋外広告の日キャンペーン」    
 (社)全日本屋外広告業団体連合会、(社)日本ディスプレイ業団体連合会、(社)全日本ネオン協会の3社共同主催「屋外広告の日」の運動が今年も9月1日から11月30日まで全国で展開される。
 この運動は、屋外広告業者届出制の法制化を記念し、毎年9月10日を「屋外広告の日」と定め、この日を中心に、広告倫理の高揚と屋外広告の社会性を強調する運動を全国一円で展開し、美しい都市景観の創出と公衆への危害防止に努め、併せて業界の振興発展を図るもの。
 今年で第30回を数え、テーマは「景観と活力になう 屋外広告」と決まった。例年通りポスター10,000枚を全国事業所、車両などに掲示するほか、各地で協賛美術コンクールの開催、懸垂幕、横断幕の掲出、自動車パレード、屋外広告物安全点検、新聞広告の掲載、広告塔、広告板、アドバルーンの掲出、講演会、講習会、展示会の開催など、多数のイベントが開かれる。経済産業省、国土交通省、日本商工会議所、(社)全日本広告連盟が後援を行う。
 
 「総合報道賞」入賞作品発表  
 屋外広告業界紙「総合報道」主催の第22回「総合報道コミュニケーションプラザ」が、6月6日(金)東京・銀座ラフィナートで開催され、伝統の総合報道賞として、アイデア賞が「57oX85oのジョウホウシ」に、佳作が「tower on a police box」、「Healing Advertisement」、「RANTAN AD MALL」の3件に授与された。
 今年の総合報道賞は「新たに期待できるアウトオブホームメディア」のテーマで、ビジュアルコンペ一本に絞って作品が募集され、49点の応募作品があった。
 
 アメリカンネオンアート体験ツアー企画進む  
 本誌「インタビュー」に登場している勝田素子氏を中心に、アメリカのネオンアートをとことん体験しようというツアーが企画されている。このツアーは、米国ロサンゼルスのネオンアートミュージアムとの共同企画で、まず2階建てオープンバス(日本語でガイドつき)に乗ってロス市内の歴史的ネオンを見学したあと、有名ネオンコレクターやネオン専門店を巡り、現在世界的に活躍中のネオン作家たちのスタジオ訪問・見学、さらに郊外の砂漠近くにあるネオン作家デビッド・スヴェンソン氏の自宅兼アトリエでネオンアートの手ほどきを受けるというもの。 観光をかねて砂漠の村でのバーベキューパーティも計画されるとのことで、実現が期待される。
 

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