十年程前「ネオンサインラプソディ」という歌を作った。その中で徹夜工事の明け方、一番電車を眺めながら皆で熱い珈琲を飲むくだりがある。その味は今でも忘れられない。
珈琲という字になぜ「王」の字がつくかは問わないことに…。珈琲はアカネ科の常緑低木である。その実(種)を煎ったものであるが、いっとき胃に悪いなどと言われ、緑茶を飲め、と人に言われたこともあった。
ところが最近はどうだ。腸癌にかかりにくいとか、利尿剤になり、烏龍茶より塩分を体内へ排出してくれる、に至っては正に薬並。ただし、毎日三杯以上飲む人、と註釈がつく。小生約六杯、大合格?
広島の珈琲店はサービスがいい。水とナフキンは当然、その上玉子かクッキーを出す店もある。そんな店は珈琲を飲み終わるとすかさず日本茶が出る。それで東京や大阪の値段なのである。
格好良く彼女と飲む若者。頭を休める中年。社交の場にするおばさん族。どれも楽しそう。少なくとも深刻かつ悲愴な面もちで飲む人は少ない。会社でも飲む。私は一時間かけて啜る。人は笑うが私流。
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